2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Standardized CLT Structure and Practical Analytical Model for Promotion of Middle-High Rise Timber Buildings
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22H01632
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
前田 匡樹 東北大学, 工学研究科, 教授 (30262413)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | CLT(直交積層板) / ユニット化 / 都市木造建築 / ハイブリッド構造 / 構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、CLT標準ユニットを用いた中層木造建築のプロトタイプを開発して、カーボンニュートラルに貢献するために、以下の研究開発を行う。(1) 鉄骨梁とCLTパネルを組み合わせたハイブリッド構造システムとすることで、部材サイズの標準ユニット化する。(2) 中層建築に必要な耐力・剛性を有する接合システムを開発する。(3) 実用的な構造解析モデルの開発する。以上により、材料生産・施工の合理化・省力化によるコスト縮減を実現し、RC構造や鉄骨構造など競争力のある中層木造建築の普及につなげる。 課題① 引張とせん断力を負担する接合部の開発: 鋼板とボルトを用いた接合部を、CLTパネルの4隅に配置して、曲げモーメントとせん断力の両方を負担させる工法の要素実験を行い、破壊性状や構造性能に関するデータを収集し、構造設計法を検討した。 課題② 鉄骨梁とCLT壁パネルを用いたハイブリッド構造システム: 架構との接続が容易で、パネルの耐力・剛性を発揮させるために、鉄骨梁とCLT壁によるハイブリッド構造システムを提案した。(a)鉄骨フレームタイプと(b)鉄骨床・梁タイプの2種類について検討して、プロトタイプの部分架構実験を行い構造性能と施工の両面についてメリット・デメリットを検討した。 課題③ 実用的な構造解析モデルの開発: RC造や鉄骨造の構造設計で一般的に用いられる一軸曲げばねモデルにより、CLT壁の復元力特性をモデル化する方法を検討する。従来型の引きボルト接合に関しては、断面の曲げ解析理論に基づき、一軸曲げばねモデルで十分に評価できることを示しており、これを、①で提案する新しい接合部にも適用できるように拡張した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発するハイブリッド構造のシステムを検討し、接合部の要素実験、部分架構実験、し設計建物の解析を行うなど順調に研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
課題① 引張とせん断力を負担する接合部の開発 2022年度の実験結果や分析結果に基づき、より広範なパラメータを対象とした接合部要素実験を行い、接合部の剛性・強度の評価法、構造設計法の検討を行う計画である。 課題② 鉄骨梁とCLT壁パネルを用いたハイブリッド構造システム: 2022年度に実施した2種類の構造システムの部分架構実験における復元力特性、破壊性状、応力伝達機構を詳細に分析し、本構造システムの構造的なメリット・デメリットを明確にする。CLT壁と鉄骨架構のハイブリッドシステムの優位性をより効果的に発揮させる方策について検討し、構造システムを改良する。改良した構造システムについて、部分架構実験を行い、構造性能の評価法に関するデータを取得する。 課題③ 実用的な構造解析モデルの開発: 接合部実験、部分架構実験結果に基づき、CLT壁の復元力特性をモデル化し、架構全体の構造解析を実施する。提案するハイブリッド構造の架構のプロトタイプを数種類試設計し、静的荷重増分解析で構造性能を確認するとともに、地震応答解析によりエネルギー吸収能力(構造特性係数Ds)を評価する方法を検討し、構造設計法を確立するための基礎データを収集する。
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