2022 Fiscal Year Annual Research Report
乾湿に伴うコンクリート中の低結晶性水和物の結晶構造の変化の解明
Project/Area Number |
22H01637
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
五十嵐 豪 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (10733107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 佑弥 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (10726805)
京川 裕之 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60799865)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | セメントペースト / 膨潤 / 微細構造 / 海水 / カチオン / 水分浸透 / カルシウム(アルミノ)シリケート水和物 / 空隙構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
セメント・コンクリートを構成するセメントペースト中の主要な成分である微晶質であるカルシウム(アルミノ)シリケート水和物(C-(A)-S-H)のもつ結晶構造の膨潤挙動とコンクリートのマクロな変形挙動の関係を科学的見地から解明することに取り組んだ。 その結果,セメントペーストと多孔質セラミクスでは同じ多孔材料であるが,結晶の膨潤に起因する空隙構造が変化することでセメントペーストに膨張が起こることが,プロトン核磁気共鳴法による微細構造分析とマクロな長さ変化測定の結果を比較することにより実験的に確認された。 加えて,セメントペーストを対象として,真水,人工海水,イソプロパノール,海水を構成する各種カチオンの塩化物溶液への浸漬挙動を比較することにより,吸水直後に粗大な空隙に侵入した水分は,時間とともに微細な空隙へ移動しており,その速度や変化量についても異なることが,同手法により確認された。 また,コンクリートおよびモルタルへの人工海水の浸透速度は,真水と比較すると大きく低下する挙動をX線ラジオグラフィとデジタル画像相関法観察により取得し,上記に示した挙動,真水と人工海水では,結晶の膨潤に伴い微細な空隙が広がり,相対的に粗大な空隙が狭まる現象が速く生じることにより生じると考えられた。加えて,長期的には,微細空隙と粗大空隙の比率の変化によらない膨張挙動が人工海水や一部カチオンの塩化物溶液で生じていることを実験的に確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
セメント・コンクリートを構成するセメントペースト中の主要な成分である微晶質であるカルシウム(アルミノ)シリケート水和物(C-(A)-S-H)からなる微細空隙の膨潤挙動とコンクリートのマクロな変形挙動の関係を実験において定量的に取得できたため
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Strategy for Future Research Activity |
セメント・コンクリートを構成するセメントペースト中の主要な成分である微晶質であるカルシウム(アルミノ)シリケート水和物(C-(A)-S-H)の結晶性合成物や微晶質試料の層状構造の層間距離の変化を実験的に取得し,微細空隙の膨潤挙動とコンクリートのマクロな変形挙動の関係を評価する
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