2022 Fiscal Year Annual Research Report
躯体蓄熱放射空調を対象としたスパース最適制御の提案・高度化とその社会実装
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22H01653
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
白石 靖幸 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (50302633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永原 正章 北九州市立大学, 環境技術研究所, 教授 (90362582)
藤本 悠介 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (60826204)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | TABS / モデル予測制御 / スパースモデリング / 外乱予測 / データ同化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、主に1) 最適制御手法の構築とリアルタイム性の実現、2) 不確定外乱への対応、3) 高度な大規模連成解析による提案手法の検証、4) TABSを導入した実在建物による提案手法の検証 に大きく分類される。2022年度に得られた成果は以下の通りである。 研究課題の1)に関しては、従来のモデル予測制御(以下、MPC)に、不確定外乱を機会制約にて考慮する確率モデル予測制御(Stochastic MPC、以下、SMPC)を用いるTABSの最適制御手法を提案した。 研究課題の2)に関しては対象建物の運用段階に応じた不確定外乱(OA機器及び照明の負荷)の予測モデルを①機械学習と②時刻別・曜日別の月平均モデルにより構築すると共に、データ同化による測定データを用いた状態値の補正・推定方法を提案した。提案手法をTABSの最適制御に組み込むことで、制御性能と省エネ性が改善されることを1スパン分のTABSを再現したCFD解析と最適制御(MPC)との連成解析にて確認した。 研究課題の3)に関しては、回廊型ダブルスキンを含むTABS導入フロア全体(学校建築)を対象としたCFD解析と最適制御(SMPC)の連成解析を実施し、省エネ性や制御性の観点からその有効性を検証した。尚、大規模CFD解析モデルは計算負荷が相対的に大きくなるため、複合物理モデリングであるDymolaを用いて大規模TABSの解析モデルを構築し、最適制御(MPC等)との連成解析により制御手法全般の有効性の検証も行った。 研究課題の4)に関しては、対象建物において実運用を想定した実測を行い、温熱環境の4要素に加え、BEMSデータによるTABSの運用データの測定を行い、対象TABSの基本特性の把握を行った。3)にて作成した大規模CFD解析モデルは、夏季の実測結果との比較により、十分な予測精度を有することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従い、概ね予定通りに研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、快適性と省エネ性を両立させる空調技術として近年注目されている躯体蓄熱放射空調TABSを対象に、不確定外乱を考慮に入れた最適制御手法を提案すると共に、高度な数値解析技術やTABSを導入した実在建物の実測調査等を通じ、提案手法全般の有効性を計3年間の研究期間で検証を行うものである。今年度はその初年度であり、研究は概ね順調に進んでいる。2年目の2023年度からはこれまでに提案・検証を行った最適制御手法にスパースモデリングを組み込むことで制御性能を維持しつつ、更なる省エネ性の向上を目指す。即ち、スパースモデリングの導入によりTABSの出力(送水流量)の時間区間及び空間区間の領域における自動的なゼロ域(送水停止)を拡大し、快適性を維持した更なる省エネの実現や機器の発停回数の減少による耐久性の向上を目指す。提案手法については、初年度に実施した実測結果との比較によりその有効性を検証する予定である。
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Research Products
(10 results)