2023 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー誘起プラズマによる航空機複合材構造の完全非接触損傷同定技術の構築
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22H01692
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
武田 真一 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 主任研究開発員 (60435815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細矢 直基 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (40344957)
横関 智弘 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (50399549)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 損傷同定 / 完全非接触 / ラム波 / レーザ誘起プラズマ / 航空機複合材構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
レーザ誘起プラズマ(LIP)技術を応用したラム波発生手法と可視化手法を組み合わせ、ラム波の発生および評価の双方を非接触とした独自の完全非接触方式を採用する。この方式は従来の接触式の持つ構造への悪影響が少なく、曲面や補強構造などを有する複雑形状の構造にも適している。最初にLIPを用いて発生したラム波の真の伝播挙動を実験により把握する。また、CFRP複合材の内部損傷のモデル化と材料異方性を考慮した伝播理論を組み合わせ、解析によりラム波伝播挙動を明らかにする。得られた基礎的知見をもとに、航空宇宙向けのCFRP構造に適した完全非接触損傷同定技術を確立することが目的となる。 本年度は課題1「完全非接触ラム波発生・評価技術の構築」の成果を踏まえ、課題2として設定した「CFRP積層板の特性が与える影響の解明と解析モデルの修正」を実施した。CFRP積層板の特性(板厚、繊維配向)がラム波の伝播挙動に与える影響を明らかにした。計測結果により板厚の増加にともないラム波の振幅は減少し、積層板最表層の繊維方向の群速度が最大となることが分かった。繊維方向の影響を考慮した解析モデルを作成し、その妥当性を確認した。さらに課題3として設定した「ラム波の反射・モード変化、内部損傷が与える影響の解明」にも取り組み、反射・モード変化、内部損傷の影響を調べた。内部に製造欠陥もしくは損傷などの不連続部が存在する場合はラム波のモード分離が発生し、これを把握することで不連続部が検出できることを実験と解析で確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二年目までの課題を解決し、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
二年目までにCFRP積層板におけるラム波伝播挙動と内部損傷が与える影響について概ね把握した。これまでの成果を活用し、実航空機構造により近づけたCFRP補強平板を対象として適用することで完全非接触ラム波発生・評価技術を検証する。
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