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2022 Fiscal Year Annual Research Report

Foundation of macroscopic human flow modeling around big cities based on GPS data

Research Project

Project/Area Number 22H01711
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionTokyo Institute of Technology

Principal Investigator

高安 美佐子  東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (20296776)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 尾崎 順一  東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (40846739)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
KeywordsGPSデータ / ヒューマンモビリティー / 輸送現象 / 数値シミュレーション / モデル構築 / 統計物理モデル / COVID-19 / 行動パターン
Outline of Annual Research Achievements

2020年、COVID-19によって、特に都市部の人流が大きく変化した。既に購入していたGPSデータに加えて、研究費によって新たにポイント型流動人口データを購入し、この異常事態に焦点を当てて、どのように人流が変化したのかをGPSデータに基づいて分析した。研究の内容は大きく分けて二つある。一つ目は、GPSデータを活用した感染者予測モデルの構築と実証、二つ目は、独自に開発した都市圏レベルの人流の電気回路モデルの開発と応用である。
感染者予測モデルに関しては、約100万ユーザーのGPSデータに基づき、感染の各段階や緊急事態宣言やGOTOトラベル実施時期などのイベントごとに期間を分割し、都市部における人流の流域解析を実施し、時間帯ごとの流域の変化を定量的に評価した。次に、1日の人の行動を個人レベルで、在宅、移動、勤務、その他(外食や買い物など)の4つのパターンに自動分類する手法を開発し、それぞれのCOVID-19に伴うイベント期間にどのように行動パターンが変化したかを計測した。その結果を感染者数の増減の時系列データと比較し、特に感染拡大と相関の強い行動パターンに関しては行動パターンに分類するなど深堀を進めた。行動と感染の関係性をデータに基づいて明らかにし、得られた基本的な特性を記述する数理モデルを構築した。
電気回路モデルに関しては、都市圏レベルのマクロな人流を記述する新たな数理モデルを開発した。人流を電流とみなすアナロジーに基づき、データから観測される平面上の人流を近似的に再現するような電気抵抗と電位の空間分布を推定した。得られる電気抵抗の分布は都市交通の構造によって決まり、マクロな人の流れを生み出すポテンシャル力を特徴づける基本的な量となり、感染症による異常事態においても重要な特徴量となる。このモデルによって、様々な状況下における人流をシミュレートすることが可能となった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初予定していたGPSデータに基づく人流の二つの数理モデル、感染者予測モデルと電気回路モデルの開発は順調に進み、それぞれの成果をまとめて論文として発表した。また、スペインにて開催された国際学会Conference on Complex Systems 2022にてそれぞれのモデルに関する口頭発表を行い、国内の学会でもそれぞれのモデルに関して2件づつの発表をしている。感染予測モデルに関しては、1週間遅れで入手されるGPSデータに基づいて、今後2週間程度の感染者数の予測を可能とするモデルに拡張し、研究室のホームページを通して予測結果を公開した。( http://www.smp.dis.titech.ac.jp/intro_covid19.html )
さらに、電気回路モデルの改良も前倒しで進めている。

Strategy for Future Research Activity

感染者予測モデルに関しては、Covid19の感染の問題があまりなくなったこともあり、今後の研究の重みは軽くする。これまでに確立したモデルは、関東などのひとつの地域内での感染モデルだったが、地域を越えた感染の拡大に関するモデルは開発途上である。特に、2021年後半からの地域を越えた感染拡大が起こった現象に関して、GPSデータと整合するような数理モデルを確立し、将来の感染症の発生時にも対応できるようにする予定である。
電気回路モデルに関しては、基本的な改良を進める予定である。電気回路モデルの最初の論文の著者であり、現在、筑波大学システム情報系助教の志田洋平氏を研究分担者に加え、この作業を進める。これまでの方法では、電気抵抗の値は想定している地域の中で相対的にしか決めることができないため、異なる都市の間の抵抗値やポテンシャルの値を比較することができなかった。人流データから局所的に抵抗値を推定する方法を幾つか試しており、今年度中には新たな抵抗値の定義を確定できる見込みである。これによって、異なる都市間の比較ができるようになるだけでなく、例えば、災害の発生によって交通インフラに障害が生じたときの人流変化のシミュレーションが可能となる。また、都市の渋滞を解消するための方法や新たな交通インフラの設計などにも応用可能な人流シミュレータを構築する基盤となる。

  • Research Products

    (9 results)

All 2023 2022 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results) Presentation (6 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] "Direct modelling from GPS data reveals daily-activity-dependency of effective reproduction number in COVID-19 pandemic"2022

    • Author(s)
      Jun'ichi Ozaki, Yohei Shida, Hideki Takayasu & Misako Takayasu
    • Journal Title

      Scientific Reports 12 ,Article number:17888 (13 pages) (2022)

      Volume: 12 Pages: 17888

    • DOI

      10.1038/s41598-022-22420-9

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] "Potential fields and fluctuation-dissipation relations derived from human flow in urban areas modeled by a network of electric circuits"2022

    • Author(s)
      Yohei Shida, Jun'ichi Ozaki, Hideki Takayasu & Misako Takayasu
    • Journal Title

      Scientific Reports 12 ,Article number:9918 (7 pages) (2022)

      Volume: 12 Pages: 9918

    • DOI

      10.1038/s41598-022-13789-8

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] GPSデータを用いたCOVID-19の近接感染モデルIV2023

    • Author(s)
      尾崎順一, 志田洋平, 高安秀樹, 高安美佐子
    • Organizer
      日本物理学会 2023年春季大会, オンライン開催
  • [Presentation] GPSデータを用いたCOVID-19実効再生産数の網羅的なモデル化2023

    • Author(s)
      尾崎順一、志田洋平、高安秀樹、高安美佐子
    • Organizer
      第2回計算社会科学会大会(CSSJ2023), 津田塾大学 千駄ヶ谷キャンパス(ハイブリッド)
  • [Presentation] Effective reproduction number dependent on daily activity in COVID-19 pandemic with vaccination effect2022

    • Author(s)
      Jun'Ichi Ozaki, Yohei Shida, Hideki Takayasu and Misako Takayasu
    • Organizer
      Conference on Complex Systems 2022, Auditorium of Palma de Mallorca Convention Center (Spain)
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Temporal change of the potential field in metropolitan areas based on GPS data by analogy with electric circuits2022

    • Author(s)
      Yohei Shida, Jun'Ichi Ozaki, Hideki Takayasu and Misako Takayasu
    • Organizer
      Conference on Complex Systems 2022, Auditorium of Palma de Mallorca Convention Center (Spain)
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] GPSデータを用いたCOVID-19の近接感染モデルIII2022

    • Author(s)
      尾﨑順一, 志田洋平, 高安秀樹, 高安美佐子
    • Organizer
      日本物理学会 2022年秋季大会, 東京工業大学 大岡山キャンパス
  • [Presentation] GPSデータを用いたCOVID-19 の市中感染モデル2022

    • Author(s)
      尾崎順一, 志田洋平, 高安秀樹, 高安美佐子
    • Organizer
      電子情報通信学会2022年ソサイエティ大会, (オンライン開催)
  • [Remarks] GPSデータに基づいた首都圏でのCovid19感染者数のモデルによる予測の結果

    • URL

      http://www.smp.dis.titech.ac.jp/intro_covid19.html

URL: 

Published: 2023-12-25  

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