2022 Fiscal Year Annual Research Report
自己・相互励起型点過程を用いた経済・社会の内生的変動の変化点検知
Project/Area Number |
22H01719
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
大西 立顕 立教大学, 人工知能科学研究科, 教授 (10376387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 真利子 東京大学, 生産技術研究所, 特任助教 (80838847)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | POS / テイラー則 / テレビメタデータ / 購買タイミング / 点過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
ID-POSデータを用いた販売個数の変動特性の分析,CM延べ視聴率の時系列と購買タイミングの関係性の分析,金融市場の点過程時系列解析,ニコニコ動画データのトピック分析,レシピ投稿の時系列解析などを行った. 首都圏のスーパーマーケット約70店舗で販売された54の商品ブランドについてのPOSデータを用いて,変動特性の切り替わり(クロスオーバー)を伴うテイラー則を観測し,クロスオーバーを特徴付ける理論曲線の2つの係数の値を推定した.これらの係数は,消費者一人当たりの購入点数と,店舗における購入者数のゆらぎを表現している.推定の結果,同じカテゴリーに属するブランドはほぼ同じテイラー則に従う傾向があるが,一部のブランドは同じカテゴリー内の他のブランドと異なる特徴を示すことを明らかにした. ID-POSデータ,テレビメタデータ,テレビ視聴率データを用いて,テレビCMの放映と購買タイミングの関係を検証した.商品ブランド毎に,CM延べ視聴率の時系列と購買タイミングの関係を分析した結果,多くのブランドでCM延べ視聴率と購入タイミングの間に有意な相関があることがわかった.店舗別,商品カテゴリー別,商品ブランド別,顧客属性(性・年齢)別にデータを集計して広告効果を解析した結果,高齢者や低価格帯の店舗ではテレビCMの効果が大きいことなど,商品ブランドや顧客属性を反映した特性を明らかにした.また,顧客IDでクラスタリングを行った結果,全購買者の約5%が全ブランドのテレビCMに均等に反応している可能性を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
幅広く様々な現実の経済・社会の点過程時系列の基礎的な解析を進めることができ,一定の研究成果も得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
特に金融市場の時系列に注目してHawkes過程を用いた解析に着手する.変動を外生的変動と内生的変動に分離することで,取引が取引を呼ぶ強さやニュース等の外部情報が取引を引き起こす強さを推定する分析を進める.
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