2023 Fiscal Year Annual Research Report
自己・相互励起型点過程を用いた経済・社会の内生的変動の変化点検知
Project/Area Number |
22H01719
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
大西 立顕 立教大学, 人工知能科学研究科, 教授 (10376387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 真利子 東京大学, 生産技術研究所, 特任助教 (80838847)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 点過程 / 株式市場 / Hawkes過程 / テレビ番組メタデータ / COVID-19 / 潜在的ディリクレ配分法 / 店舗・施設 / フラクタル次元 |
Outline of Annual Research Achievements |
東証株式市場の取引時系列をHawkes過程の点過程時系列として解析した.取引が取引を呼ぶ強さやニュースなどの外部情報が取引を引き起こす強さを推定することで,COVID-19流行の不安定な時期における市場の状態を外生的変動と内生的変動の観点から定量化することができた. 2008年1月から2020年6月までのテレビ番組メタデータを用いて番組のスポンサー企業・団体をノード,同じ番組を提供する関係をリンクとする番組提供企業・団体の共起ネットワークを構築して分析した.ネットワークの基本的な統計性を調べ,各企業が対象とする顧客属性が類似するクラスターを確認した.ラプラシアン行列を用いてネットワークの状態の変化検知を行った結果,ネットワークの周期的変動と構造的変化が捉えられた.周期的変動は景気循環とは一致しておらず,構造的変化は東日本大震災やCOVID-19流行期に非連続に生じたことがわかった. 身近な悩みが投稿される掲示板サイトのテキストデータを分析した.潜在的ディリクレ配分法(LDA)を用いてトピックに分類し,それぞれのトピックの時系列から年末年始やCOVID-19流行期における特定のトピックの時間変動を明らかにした.また,社会的・文化的イベントで世間の関心がどのように変動するかを考察した. 日本全国について様々なスケールで地域メッシュを定義して,ボックス・カウンティング法を用いて店舗・施設の空間分布のフラクタル次元を推定することで,各地域における企業の集積などの空間構造を把握し,業種毎の集積の特徴を定量化した.地域メッシュ内の企業数の成長率を解析し,都市の規模に注目してジブラ則が観測できるかを分析した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
自己・相互励起型点過程を用いて,株式市場における取引のダイナミクスを定量化することができた.テレビ番組メタデータから企業の広告活動を観測することで,社会・経済の変動の変化を検知できる手掛かりが得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
東証株式市場の取引時系列のHawkes過程解析について,カーネル関数の精査,パラメータ推定手法の改良,大変動に注目した分析などに取り組み,より高精度な市場の状態変化の定量化を目指す. テレビ番組メタデータの解析について,2020年7月以降の直近のデータを入手し,COVID-19流行直後や現時点の分析を行うことで,解析の信頼性を高め,考察を深める.
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