2022 Fiscal Year Annual Research Report
Engineering study on both protective performance and comfort of infectious disease protective masks
Project/Area Number |
22H01727
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
篠原 克明 信州大学, 繊維学部, 特任教授 (60117356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 英明 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (10230103)
渡邊 圭 信州大学, 繊維学部, 特任准教授 (30737763)
若月 薫 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (60408755)
嶋崎 典子 国立感染症研究所, ウイルス第三部, 主任研究官 (80466193)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 感染症対策 / マスク / 個人用防護具 / ナノファイバー / バイオハザード対策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,感染症対策に必要とされるマスクの防護性能について整理し,着用時の生理的・心理的負荷の軽減と防護性能に優れた新たなマスク素材と適切な構造の開発,並びに実際の使用形態(呼吸に伴うマスク内圧変化)及び実防護対象(サブミクロン以下の浮遊微生物粒子)における防護性能評価方法の検証を行う。得られた知見を基に,感染症対策に必要なマスクの「防護性能と快適性の両立」を目的とした「マスク設計指針」としての基盤要件の提案を行う。 Ⅰ 「マスク形状・素材物性と生理学的負荷の関連性の分析」の一環として,マスク着用時の生理的負荷の検証及びマスクと顔面とのフィット性検証のためのサーモグラフカメラの有用性について検討を行っている。さらに,フィット性解析のための顔面モデルの作製のために,3Dスキャナー及び3Dプリンターを導入し,その有用性を検証している。また,マスク着用時のコミュニケーション性能の向上のため,マスク着用時の会話の音声解析やマスク素材の吸音特性などの解析のための試験装置を構築中である。 Ⅱ 「ナノファイバーなどのマスク素材とマスク構造の検証」の一環として,ナノファイバーを用いた新規マスクフィルター素材(高捕集効率,低圧損,高透湿性など)の開発を続けている。 Ⅲ 「実使用形態に即したマスク素材の浮遊粒子捕集効率の検証」の一環として,変圧型浮遊粒子捕集性能試験装置を用いて,マスク内圧変動時におけるマスク素材の捕集効率の変化を観察している。また,微生物負荷試験用粒子の性状検証として, 人工的に発生させた浮遊微生物(バクテリオファージ)粒子の粒子径分布を12段アンダーセンサンプラーを用いて検証した。さらに,微生物粒子数測定のためにPCR法導入の有用性を検証している。 Ⅳ 「感染症対策用マスク設計指針の基盤構築の検証」の一環として,本研究における実験成績や関連情報を収集している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Ⅰ 「マスク形状・素材物性と生理学的負荷の関連性の分析」の事前実験として,サーモグラフカメラの有用性について検討を行っている。さらに,フィット性検証のための顔面モデル作製のために3Dスキャナー及び3Dプリンターを導入し,そのセットアップを行っている。また,マスク着用時の音声解析や吸音特性のための試験装置部品を購入し,試験装置を構築中である。 Ⅱ 「ナノファイバーなどのマスク素材とマスク構造の検証」として,ナノファイバーを用いた新規マスクフィルター素材数種の開発を行っている。 Ⅲ 「実使用形態に即したマスク素材の浮遊粒子捕集効率の検証」の一環として,変圧時におけるマスク素材の捕集効率の変化を,変圧型浮遊粒子捕集性能試験装置を用いて観察している。さらに,微生物(バクテリオファージ)負荷試験用粒子の分布状態を12段アンダーセンサンプラーを用いて検証した。また,微生物粒子数測定のために新規導入したPCRマシンを用いた計測法について検証している。 Ⅳ 「感染症対策用マスク設計指針の基盤構築」について,本研究における実験成績や関連情報を収集している。
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Strategy for Future Research Activity |
Ⅰ 「マスク形状・素材物性と生理学的負荷の関連性の分析」の一環として,サーモグラフカメラによるマスク着用時の熱分布などを計測し,生理的負荷やフィット性の検証としての有用性を検討する。さらに,3Dスキャナー用いてフィット性検証のための顔面モデルの作製のためのデーターを収集し,3Dプリンターを用いて顔面モデル装置を試作する。また,マスク着用時のコミュニケーション性能の向上の検討のために,新規に構築した試験装置を用いて,マスク着用時会話の音声解析やマスク素材の吸音特性を解析する。 Ⅱ 「ナノファイバーなどのマスク素材とマスク構造の検証」として,ナノファイバーを用いた新規マスクフィルター素材(高捕集効率・低圧損・高通気性など)の開発を継続する。 Ⅲ 「実使用形態に即したマスク素材の浮遊粒子捕集効率の検証」の一環として,マスク内圧変動時における新規素材などの捕集効率について検討を継続する。さらに,負荷微生物(バクテリオファージなど)粒子分布の検証や粒子数計測のためのPCR法の有用性を検証する。 Ⅳ 「感染症対策用マスク設計指針の基盤構築」として,本研究における実験成績や関連情報を継続的に収集する。
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Research Products
(1 results)