2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Damage Estimation Technology Applicable to Various Disasters Using Multimodal Sensing and AI
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22H01741
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三浦 弘之 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (30418678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Adriano Bruno 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (40831889)
劉 ウェン 千葉大学, 大学院工学研究院, 助教 (60733128)
松岡 昌志 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (80242311)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | リモートセンシング / 自然災害 / 建物被害 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は,様々な自然災害で得られた光学センサ画像を用いて,個々の建物範囲を表すの建物パッチ画像と建物被害データをAI技術のひとつである深層学習(畳み込みニューラルネットワーク)によって学習させ,個々の建物の被害程度を推定する方法の高度化を実施した。具体的には,既存の深層学習モデルに対して,地震だけでなくその他の自然災害(津波,土砂災害,台風,洪水)の直後に撮影された空撮画像を新たに学習し直すことで,様々な災害に適用可能な高精度なモデルを構築できることを明らかにした。また,自然災害による建物の経済的被害を直接推定する方法を検討するために,光学センサ画像から推定される建物被害の割合と台風災害における損害保険による損害割合の関係を調べたところ,両者には高い相関がみられることを明らかにした。この関係式を用いることで,光学センサ画像の判読結果から建物の損害額を推定する方法を提案し,2018年9月の台風20号や2019年9月の台風15号の損害データを用いてその適用性を検証した。さらに,被災した建物における合成開口レーダ(SAR)画像上の特徴も検討したところ,倒壊した建物では災害前後のコヒーレンスが顕著に低下する傾向がみられることを明らかにした。さらに,コヒーレンス画像から個々の建物被害を推定する深層学習モデルについても検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は,開始年度前より事前に検討を進めてきており,初年度から計画通りに実施することができた。予定していた査読論文を含む複数の研究成果を発表することができたことから,計画通りに研究を実施できているものと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
光学センサの深層学習による建物被害判別モデルについては,日本だけでなく世界各地への適用性の拡大を図るために,2023年2月に発生したトルコ・シリア地震を対象として,地震後の高分解能衛星画像を学習データとして転移学習を行う。この転移学習によりトルコの被災地で多く見られる組積造建物の被害推定に適用可能な深層学習モデルの構築を目指す。また,リモートセンシングによる建物の経済的被害推定の検討については,台風だけでなく洪水による被害データも用いることで,水害による経済被害の推定手法を検討する。さらに,SAR画像による建物被害判別モデルについても,既存のモデルを参考にするなど改良を加えることで,より高精度な被害推定モデルの構築を目指す。
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