2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of CPLB method of properties and reactivities related hydrogen near the metal nanoparticle surfaces
Project/Area Number |
22H01758
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石元 孝佳 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (50543435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RiveraRocabado DavidSamuel 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 特任助教 (00865298)
兼松 佑典 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (10765936)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 金属ナノ粒子 / 量子効果 / 水素ダイナミクス / CPLB法 / 重水素効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
水素の量子効果は、金属ナノ粒子中で特異に発現する物性や反応性に深く関わっており、金属ナノ粒子の不均一な表面近傍に吸蔵・吸着した水素のダイナミクスや反応機構の詳細を解明することが基礎科学の深化や革新的な触媒開発にとって重要である。実験での直接観測が困難な水素に対し、計算科学的アプローチは有効な手段であるが、不均一場での水素の物性や反応性を解析するには“金属ナノ粒子の不均一な電子状態”と“水素の量子効果”の両者を同時に考慮する必要がある。ところが、これらの取り扱いは大規模化と高精度化という背反関係にあり、既存の計算手法の単純な適用は困難である。これらの課題を克服するため、本研究では申請者が独自に開発した平面波局在基底混合電子状態計算(CPLB)法の改良を進めている。2022年度は、申請者が独自に開発した平面波局在基底混合電子状態計算(CPLB)法を高度化させるために、CPLB法に基づく解析的な構造最適化アルゴリズムを実装した。具体的な応用例として、Pt表面へのH2O、OH、Hおよびその重水素置換体の吸着エネルギーや吸着構造における同位体効果についてCPLB法を用いた構造最適化計算を実行した、計算の結果、H体よりもD体のほうが吸着エネルギーが大きくなる傾向が得られたため、開発手法は実験結果を再現可能であることを確認した。また、構造最適化計算の結果、H2OよりもD2OのほうがPt表面よりも離れている傾向も得られ、表面系における幾何学的同位体効果も表現することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発手法の実装については本年度予定していた内容をクリアすることが出来た。また、従来ある特定の吸着サイトを対象に解析を進めることが一般的だったが、複数の吸着サイトを網羅的に解析可能な効率性も向上させることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の内容について研究を進める予定である。 A.平面波局在基底混合電子状態計算(CPLB)法の開発・高度化 B.Pdナノ粒子表面近傍での水素吸蔵・吸着と水素ダイナミクスの解析 Aについては、CPLB法の枠組みの中で振動解析を可能とするアルゴリズムの実装に取り組む。Bについては、遷移状態探索で必要な振動解析アルゴリズムの動作確認を行う。
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