2022 Fiscal Year Annual Research Report
BCC合金が持つ特異な変形機構の起源の解明と力学機能設計
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22H01762
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
都留 智仁 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 研究主幹 (80455295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 英喜 産業技術短期大学, その他部局等, 講師 (00456998)
田中 將己 九州大学, 工学研究院, 教授 (40452809)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 転位 / 電子構造 / 異方性 / BCC合金 |
Outline of Annual Research Achievements |
周期条件を満たす転位の弾性問題に基づいて、転位芯構造モデルとエネルギーを同時に評価する枠組みを整理した。第一原理計算を用いて、任意の面上で直線転位が運動する際のエネルギーを評価するとともに、転位双極子が相対位置を変化させるときのエネルギー変化を第一原理計算と弾性解で比較した。バーガースベクトル方向に1層の135原子を有する小さなスーパーセルを用いた場合に、転位が一格子周期分ずれる際の差は、第一原理計算と弾性解でそれぞれ、16 meVと18.2 meVと比較的近い値であることを確認した。このことから、転位芯の拡張が小さな体心立方格子(BCC)結晶系では、弾性解が転位のエネルギーの見積もりに有効に利用できることを示した。これは、純金属以外の複雑な合金系に対する転位運動を評価する際にも有効である。また、BCC構造を持つFe、Mo、Wなどの元素に対して、多様な相構造及び欠陥構造に対する第一原理計算を行い、人工ニューラルネットワーク(ANN)ポテンシャル開発のためのデータベースとして蓄積した。特に、Feに関しては、C15構造などの多様な格子間原子のデータまで含めた高精度なポテンシャルを整備し、転位構造解析の応用として、鉄らせん転位のキンク生成エネルギーの評価を行った。また、古典ポテンシャルでは現れない表面の応力振動をよく再現することを確認した。 実験による検討では、安定相がBCC構造を持つ元素に加えて、高温相もしくは合金でBCC構造を持つ元素として、チタン合金を対象とした合金作成、及び実験のセットアップを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた、弾性問題および第一原理計算に基づく転位芯の構造解析を完了し、BCC構造を有する金属の転位芯構造では、弾性解を効果的に利用できることを確認した。また、人工ニューラルネットワーク(ANN)ポテンシャルの開発においても、比較的少ない構造で転位構造を高精度に再現するデータセットを抽出することに成功しており、多様なBCC金属に拡張可能な枠組みを完成したため、概ね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
多様なBCC構造に対して作成されたANNポテンシャルに対して、動力学計算も含めたパフォーマンスの検証を行う。キンク機構による運動が正しく再現できることを確認し、純金属のポテンシャルを完成させる。また、第一原理計算によるβチタンの解析に着するとともに、実験からも他のBCC構造とすべり変形の異方性について検討を行う。
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Research Products
(23 results)