2022 Fiscal Year Annual Research Report
特異なアニオン欠損面を持つ新規ペロブスカイトの開拓
Project/Area Number |
22H01767
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 隆文 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (80650639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 直喜 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (60881878)
池澤 篤憲 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (80824953)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ペロブスカイト / アニオン欠損 / 配位環境 / 電気磁気物性 / 電気化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
アニオン欠損を酸化物に導入することは電気伝導性や磁性などの物性の変化をもたらし、またイオン伝導性や触媒活性といった様々な機能性の獲得をもたらす。アニオン欠損の研究は特にペロブスカイト酸化物ABO3 (A,Bは金属イオン)において盛んに行われている。本研究では、八面体を好む金属と四面体を好む金属を合理的に組み合わせることでアニオン欠損構造を持つペロブスカイト物質の合成と新規物質探索を行うことを目的とする。特に、これまで開拓があまり進んでいない、(111)p面欠損を持つペロブスカイトに特に注目して、新規物質の合成や物性開拓を進めている。R4年度は、(111)p面欠損を持つ新規酸素欠損ペロブスカイト酸化物SrV0.3Fe0.7O2.8をInorganic Chemstry誌に報告した。物性測定の結果、この物質は室温で負の磁気抵抗効果を示すことが分かり、その大きさは既存の鉄酸化物で最大の値を示すものに匹敵する値であった。現在この物質の低温物性の検討や、元素置換を行っており、磁気抵抗効果の増大が期待できる。さらに様々な金属組成の組み合わせて新規物質の合成に取り組んでおり、今後のさらなる進展が期待できると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
R4年度はアニオン秩序欠損型の新規ペロブスカイト酸化物の合成とその物性報告の論文をInorganic Chemistry誌に出版できており、着実な成果を上げているといえる。また論文で報告したSrV0.3Fe0.7O2.8の低温での物性や、元素置換による研究の検討も順調に進めることができており、順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
SrV0.3Fe0.7O2.8の低温での物性や、元素置換による研究のデータを取得し、論文執筆や投稿を進める。また様々な金属組成の組み合わせて新規物質の合成に取り組み、さらなる物質系の開拓、電気化学測定なども進めていく。
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