2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of self-driven nano light sources that control photochemical reaction fields
Project/Area Number |
22H01786
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
藤尾 侑輝 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (90635799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 健一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究チーム長 (00580078)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 応力発光 / 自立ナノ光源 / 深紫外発光 / 光照射技術 / 印刷技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ナノ空間での局所的光反応場を実現する“深紫外応力発光体の創製と微小力応答性多孔積層構造”にかかる基盤技術を開発することを目的としている。昨年度までにアルミン酸ストロンチウム系応力発光体が紫外域の波長で高い応力発光を示すこと、スクリーン印刷技術と転写印刷技術を組み合わせたスクリーンオフセット印刷技術によって中空構造の微小力応答性多孔積層構造の構築に成功した。 2023年度は、新規深紫外応力発光体の創製と微小力応答性多孔積層構造の応力増強メカニズムの解明を試みた。その結果、深紫外応力発光体については、新たな深紫外発光中心元素と発光強度増加元素を組み合わせることで、300nm付近に強い深紫外発光を示す材料を見出した。本材料は、3次元多孔積層構造の応力発光評価装置においても高い応力発光を示したため、本研究で目指すナノ空間光反応場を実現するための光源技術として有用と考えている。次に、微小力応答性多孔積層構造の応力増強メカニズムについて検討した。中空構造への微小力負荷時における応力発光層変形挙動の断面観察を行った結果、応力発光層が荷重負荷点を中心とした局所的3点曲げ変形挙動を示していることがわかった。すなわち、応力発光層を多孔積層構造とすることによって、応力発光層の変形挙動が圧縮変形モードから曲げ変形モードに変化することで、負荷荷重に対する応力発光層の応力が増加した結果、応力発光強度を増大させていると推測される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、細胞操作に必要な直径300nmのナノニードル先端(ナノ空間)のみに光反応場を創出するために、ナノニードルで局所加圧した場合(30nN)でも光反応に必要な深紫外応力発光(光強度10μW)する深紫外応力発光体と3次元多孔積層構造素子を開発する。そのためには、研究項目(イ)深紫外応力発光体の開発、(ロ)応力発光メカニズム解明と高強度化、(ハ)応力増大機構解明と製造法構築により、自立ナノ光源の基盤技術を開発し、(ニ)自立ナノ光源を試作・実証する。2023年度では、研究項目(イ)、(ロ)、(ハ)を実施した。(イ)では新たな深紫外発光中心元素を用いた新規応力発光体を見出し、(ロ)では、新規応力発光体に発光強度増加元素を組み合わせることで応力発光強度を増大させることに成功し、(ハ)では応力発光層の変形挙動が圧縮変形モードから曲げ変形モードに変化し応力を増大させていることを明らかにした。以上の結果より、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度では研究計画どおり、(ロ)応力発光メカニズム解明と高強度化を実施し、自立ナノ光源の根幹となる応力発光体を開発する。また、これらの要素技術を組み合わせて深紫外自立ナノ光源を構築し、(ニ)深紫外自立ナノ光源による光反応試薬の選択的光反応を実証する。
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