2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of oxide meta-conductor for low transmission loss in 6G devices
Project/Area Number |
22H01787
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
鶴田 彰宏 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (40760319)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 佳丈 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究グループ長 (20324460)
崔 弼圭 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究員 (50899523)
加藤 悠人 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (70635820)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 6G / メタコンダクター / 高周波 / 導体 / 導電性酸化物 / 室温磁性酸化物 / PLD法 |
Outline of Annual Research Achievements |
Beyond 5Gや6Gなどの次世代通信システムにおける導体損失の低減に向け、内部の電磁現象の作用により高周波導電率が向上するメタコンダクターを耐環境性に優れた酸化物で実現することを目的として、本研究では導電性酸化物材料と室温磁性酸化物材料が複合化された酸化物メタコンダクターの開発を行っている。 2023年度は、パルスレーザー堆積(PLD)法を用いて石英基板上への導電性酸化物材料及び室温磁性酸化物材料それぞれの成膜を実施し、基板材料との化学反応及び異相形成を抑制した各材料の単相成膜条件を探索した。また、単層成膜時の最適条件が異なる各材料の連続積層成膜に向け、同条件で各層が単相成膜可能な条件を探索し、結果として石英基板上に導電性酸化物材料及び室温磁性酸化物材料が100nmピッチで複数層積層した最も単純なメタコンダクター構造を実現した。 各材料及び積層膜の成膜は、高周波測定に適した膜形状のパターニング成膜を実施している。また、これらの研究過程において、各材料の成膜膜厚に依存する結晶配向性の変化等の知見が得られている。 作製した膜の高周波導電率測定を随時実施したが、メタコンダクターの動作は確認できていない。原因としては、平衡型円板共振器法(BCDR)の測定可能域と導電性酸化物の導電率域に差異があることや、膜形状に依存した共振周波数(導電率算出可能周波数)が局所的に生じるメタコンダクター動作周波数に対応できていないことが考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
メタコンダクターの基本構造となる導電性材料及び磁性材料の積層構造を、導電性酸化物材料及び室温磁性酸化物材料において実現した点においては、当初計画通りの進捗である。 一方で、作製した膜の高周波導電測定によってメタコンダクターの動作が確認できていないことに加え、当初の実施内容として予定していなかった、メタコンダクター動作確認に向けた膜形状・膜構造や測定手法の改良を現在実施していることから、特性制御や物性解明等の次の研究フェーズへの移行に遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続きパルスレーザー堆積(PLD)法を用いて導電性酸化物材料と室温磁性酸化物材料の積層膜を作製する。各材料を様々変更することで、メタコンダクター動作に与える影響を解明するとともに、高周波導電率の向上に最適な材料を探索する。 酸化物メタコンダクターの高周波導電率測定の手法として平衡型円板共振器法(BCDR)が不適である可能性が示唆されているため、BCDRにおける測定実現に向けた測定法の改良やメタコンダクター膜構造の改良を実施するとともに、異なる手法による高周波導電率測定の可能性に関しても検討する。
|