2023 Fiscal Year Annual Research Report
Reprogrammable shape memory necklace polymer materials
Project/Area Number |
22H01814
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
國武 雅司 熊本大学, 産業ナノマテリアル研究所, 教授 (40205109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 智 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 助教 (80579839)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 形状記憶 / シリコーン / ネックレス型ポリマー / 無機高分子 / POSS / 熱可塑エラストマー |
Outline of Annual Research Achievements |
反応性POSS-DMSネックレスポリマーの合成を行った。 末端基導入剤、反応性環状シリコーンを添加した重合によって、末端もしくはDMS鎖部に修飾のための反応基としてビニル基もしくはヒドロシリル基を選択的に導入することに成功した。これにより、様々な反応基をPOSS-DMSネックレスポリマーの所定の位置に導入することが可能となり、ネットワークポリマーの構造多様性の制御の可能性が広がった。 また、これを利用して脂環式エポキシ基を導入することを試みた。脂環式エポキシ基は光酸発生剤で光開始重合を行うことが可能である。主鎖をPDMSとする予備実験で高分子量のポリマーであっても、リニアポリマーの末端の脂環式エポキシ基だけで、十分に架橋し、ネットワークポリマーフィルムを作成できることを確認した。 ネックレスポリマーへの熱可塑性架橋ユニットの導入として、POSS-DMSポリマー末端に、開始基を導入し、原子移動ラジカル重合を行うことでポリスチレンを両端に導入したネックレスポリマーの合成にも成功した。このコポリマーは、ネックレス部分とポリスチレン部分で異なる融解温度を持つことがDSCからも確認された。 ポリスチレンとPOSS-DMSネックレスポリマーからなるABA型コポリマーは、変形後、POSS-DMSネックレスポリマー以上、PS部分の融解温度以下の温度域で、形状記憶特性を示すことがを確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
想定したコポリマーのデザインでの合成が可能であること、様々な構造多様性を持ったポリマー群を作り分けられることが明らかになった。これにより、粘土状に成形してから、その形状を記憶させる光架橋型と、PS部分のTg以下では形状記憶能を発揮し、Tg以上では自由に形状を作り、形状を記憶させることが可能な熱可塑性形状記憶ポリマーの実現に大きく近づいた。
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Strategy for Future Research Activity |
合成の目処は立ったが、ポリマー構造の異なるポリマーを系統的に合成し、熱特性、機械特性の観点から、リサイクル可能な形状記憶プラスチックとしての最適構造を明らかにする必要がある。また、形状記憶特性とそのリセットに関するデモンストレーションを成果として準備していく。
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