2022 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ誘起微細周期構造の構造制御ダイナミクスと構造/生体組織間相互作用の解明
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22H01827
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水谷 正義 東北大学, 工学研究科, 准教授 (50398640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 圭祐 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (30431589)
金高 弘恭 東北大学, 歯学研究科, 教授 (50292222)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | レーザ加工 / レーザ誘起微細周期構造(LIPSS) / バイオインプラント / 生体親和性 / 抗菌性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「I. 実験的・解析的手法を用いたレーザ誘起微細周期構造(LIPSS)の構造制御ダイナミクスの解明」,「II. 幾何学的構造と細菌付着抑制効果の関係性解明」および「III. 幾何学的構造と細胞との反応性解明」の3つのフェーズを並行して進めている.各フェーズにおける2022年度の実績を以下に示す. I. 実験的・解析的手法を用いたレーザ誘起微細周期構造(LIPSS)の構造制御ダイナミクスの解明:LIPSSが創成される挙動についてシミュレーションを用いて再現し,現象の解明を行った.具体的には,LIPSS構造創成時に生じる挙動について電界強度分布と格子温度分布を複合した解析モデルを確立するとともに,同モデルをコーティング表面へ展開し,その有効性を確認した.また,LIPSSの構造制御ダイナミクスに関して微細溝中におけるLIPSS創成現象に着目し,その現象を明らかにした.さらに,レーザ照射時に生じる現象についてセラミクスあるいはアモルファス金属という新たな素材への展開を進めるとともに,レーザ金属積層造形への展開も進めている. II. 幾何学的構造と細菌付着抑制効果の関係性解明:LIPSSに対する抗菌性(細菌付着抑制効果)について,Escherichia coli(大腸菌)を用いて浸漬法による実験を行った.その結果,対象とする細菌のサイズとLIPSSの構造サイズとの関係が抗菌作用発現の有無に影響することを明らかにした. III. 幾何学的構造と細胞との反応性解明:LIPSSに対する細胞の反応性ついて,細胞を用いた実験により検証を行った.その結果,定性的ではあるが,LIPSSサイズに対して,本研究で対象とする細胞(骨芽細胞)は十分に大きく,細胞の分化・増殖には大きな影響を及ぼさないことを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究「フェーズⅠ」について,すでにLIPSSの創成挙動をシミュレーションにより再現可能とし,それに基づいたレーザ照射の新たな展開を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
I. 実験的・解析的手法を用いたレーザ誘起微細周期構造(LIPSS)の構造制御ダイナミクスの解明 LIPSSの創成挙動については再現可能であり,今後はその構造制御ダイナミクスの解明を進める.その際,加工環境(雰囲気制御や液中照射など)を含めた検討を行う.また同手法を含めたレーザ照射現象の新素材,あるいは他の加工プロセスとの複合への展開も進める. II. 幾何学的構造と細菌付着抑制効果の関係性解明 LIPSSに対する抗菌性について,大腸菌だけでなく,黄色ブドウ球菌などの他の菌種へも展開し,細菌のサイズと構造サイズの関係をさらに明確化するとともに,筋膜の強度との関係性についても明らかにする. III. 幾何学的構造と細胞との反応性解明 LIPSSに対する細胞の反応性ついて定量化するとともに,その反応機序についても明らかにする.
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Research Products
(11 results)