2022 Fiscal Year Annual Research Report
高速プローブ顕微鏡を活用した電気化学透析法による省エネ型CO2回収への展開
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22H01836
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松島 永佳 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (30578026)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | CO2分離回収 / 水素ポンピング |
Outline of Annual Research Achievements |
鉄鋼業界での2050年CO2排出ゼロに向け、その回収技術や水素製鉄法が不可欠であり、効率的な回収法やH2の有効利用が必要とされる。本研究では、電力消費が極めて少ないH2の酸化還元反応(電気化学水素ポンプ:EHP)に着目し、電気化学透析法による省エネ型CO2回収を行う。本提案はCO2回収だけでなく、本来のEHPの応用例であるH2精製機能も付与できる。さらに光3Dプリンターで改良した固体高分子型燃料電池を透析法に導入することで、将来的に燃料電池発電と融合したCO2回収も視野に入れた、多機能性を有するユニークな回収法である。本成果は、製鉄所や発電所等で導入されている化学吸着法の回収塔への適用が期待され、コンテナ船への応用や工場内でのH2ガスリサイクルにも波及する。 そので本年度はその分離実証を行うため、3Dプリンターを使って固体高分子形燃料セルを改良し、水素ポンピング反応を調べた。そこでは、内部に2種類の電解液(緩衝液、回収液)が流れる空間を作り、イオン交換膜を絶縁体で固定する加工を施した。そのため光造形3Dプリンターにより、耐薬品性樹脂によるスペーサーを作製した。次に二酸化炭素を吸収された溶液を電解質に用いて、セルに高純度の水素ガスを導入した。その結果、低いセル電圧でも両電極間に電流値を検出し、水素ポンピング反応が起こることが確かめられた。また電解電流とCO2発生量との関係を調べ、電流値の増加と比例してガス発生量も増加することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り燃料電池を改良したセルを作製することができ、回収溶液からの二酸化炭素発生も検証することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、二酸化炭素の回収率向上と消費電力量との関係を調べる。そこでは、セル電圧や電解液濃度を変数として、二酸化炭素発生量との相関性を明らかにする予定である。
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