2022 Fiscal Year Annual Research Report
イメージングによる鉄鋼関連材料のオンサイト定量分析法の確立
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22H01837
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今宿 晋 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (40606620)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | カソードルミネッセンス / 遊離CaO / 介在物 / 耐火物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、鉄鋼中の介在物、製鋼スラグ中の遊離CaO、MgOをカソードルミネッセンス(CL)イメージングによって定量分析する方法の確立を目指した。鉄鋼中の介在物は伸線・撚線工程での破断、疲労破壊、水素誘起割れ、表面の疵、連続鋳造におけるノズル閉塞などの問題を引き起こすので、介在物分析は鉄鋼生産において重要である。また、製鋼スラグは、生産量の約3分の1が道路用路盤材として再利用されている。製鋼スラグ中にはフリーCaOおよびフリーMgOが含まれており、フリーCaOおよびフリーMgOは水和反応および、その後の二酸化炭素との反応により体積が2倍程度膨張するので、道路を膨張・破壊させる原因となる。そこで、製鋼スラグ中に含まれるフリーCaOおよびフリーMgOを検 出することは重要である。 Al脱酸を行ったステンレス鋼に含まれる介在物である、MgAl2O4, Al2O3, MgO の凝集体について、350-1000 nmおよび395-575 nmの波長範囲の2種類のCL像を撮影することで、それぞれの介在物を発光色の違いによって識別でき、これぞれの発光している部分を数えることで介在物の個数を求めることができた。 製鋼スラグ中には、遊離MgOの他にMgAl2O4、3CaO・MgO2・SiO2などの鉱物相が含まれており、350-1000 nmのおよび420-680 nmの波長範囲の2種類のCL像を撮影することで、遊離MgOを識別できることがわかった。遊離MgOは、350-1000 nmのCL像では、橙色に発光し、420-680 nmのCL像では、発光しなかった。さらに、遊離MgOの発光領域の面積分率から遊離MgOの体積分率が推定できることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
令和5年度に予定していた製鋼用の耐火物上の反応生成物をCLイメージングによって識別する方法に関する研究を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
より実用的な試料を用いて、CLイメージングによって鋼中介在物、スラグ中の遊離CaO, MgOおよび耐火物上の反応生成物の定量分析法の確立を行う。
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