2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of lead-free CVD process for perovskite solar cells
Project/Area Number |
22H01859
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河瀬 元明 京都大学, 工学研究科, 教授 (60231271)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ペロブスカイト / 太陽電池 / CVD / ビスマス / 非鉛 |
Outline of Annual Research Achievements |
原料ガスのメチルアミン(MA)、ハロゲン化水素、ならびに希釈ガスのヘリウムの流路ならびに金属Biを溶融させるセラミックスボートを加熱する電気炉、石英またはSUS316反応管から構成される装置を製作した。反応管は2つの部分からなり、上流側の高温部では金属原料の融解とハロゲン化を行った。原料であるBi源とMAを衝突混合し、下流の製膜部で製膜を行った。 反応管内にビスマスをボートに入れて設置し、電気炉で442 °Cに加熱してビスマスを溶融させた。Heで希釈したHIを供給し、溶融ビスマスとハロゲン化水素との反応でヨウ化ビスマス(BiI3)を気体で反応場に供給できることを確認した。生成したBiI3をHeで希釈し、未反応のHIとともに混合部へ供給した。混合部ではHeで希釈したMAと衝突混合させて製膜部へと供給した。2BiI3 + 3HI + 3MA → MABIの反応が起こり、TiO2付きFTOガラス基板(アステラテック)にMABI薄膜の製膜を行った。 HI流量0.39, 0.78, 1.60 sccmで60 min製膜実験を行った。HI流量が0.78 sccm, MA流量が0.26 sccmのとき橙色の薄膜が得られ,XRDパターンはMABIとメチルアンモニウム(MAI)のリファレンスとよく一致し、新規開発したCVDプロセスでMABI薄膜の製膜に成功したことを確認した。また、UV-vis-NIRスペクトルのTaucプロットで、波長560 nm以下(光子エネルギー2.2 eV以上)の光を吸収していることを確認し、これはMABIの文献値とよく一致している。 また、成膜部温度の探索で、管内温度が140~180 °CでMABI薄膜が製膜できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験装置を製作し、金属ビスマスを電気炉で溶融させた溶融ビスマスとハロゲン化水素との反応でヨウ化ビスマス(BiI3)を気体で反応場に供給できることを確認できた。生成した膜は白色、橙色、黒色とさまざまであったが、橙色の薄膜はMABIであることを複数の分析手法で確認し、MABI薄膜の生成が確認できた。また、成膜条件の探索も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き成膜条件の探索をおこなう。全圧、各種ガスの分圧、流量、製膜温度等を変えて、製膜実験を実施する。また、デジタルマイクロスコープ、SEMおよびAFMなどを用いた表面モフォロジーの観察、光干渉式膜厚計や触診式段差計を用いた膜厚の測定を実施する。
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