2022 Fiscal Year Annual Research Report
外部刺激による非対称膜ベシクル内での効率的な酵素逐次反応の実現
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22H01874
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
神谷 厚輝 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (70612315)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 膜透過ペプチド / 人工細胞膜 / 酵素 / 非対称膜ベシクル / バイオリアクタ |
Outline of Annual Research Achievements |
外部刺激によってリポソーム内で効率的な酵素逐次反応を起こさせるために、リポソーム形成後に酵素をリポソーム内へ輸送させる必要がある。そこで、膜透過ペプチドを介してリポソーム内に酵素を輸送させることを検討した。外膜に中性電荷のリン脂質、内膜に負電荷のリン脂質で形成したリン脂質非対称膜リポソームの場合、膜透過ペプチドpep-1やpenetratinを介して酵素がリポソーム内へ輸送され、酵素活性も有していることが分かった。これは、非対称膜で発生した表面電荷と、酵素と複合化した膜透過ペプチドが相互作用したためであると推測される。この方法は、様々な分子量の酵素を機能を保持した状態でリポソーム内へ輸送できることを明らかにしている。 また、外膜がリン脂質、内膜が両親媒性タンパク質から形成される非対称膜ベシクルの形成に成功した。この非対称膜ベシクルに膜タンパク質が再構成でき、その膜タンパク質が機能を有していることを明らかにしている。したがって、この非対称膜ベシクルは、リポソームに代わるバイオリアクタの担体として活用が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
多くの国際学会、国内学会に積極的に発表を行った。膜透過ペプチドを介した酵素のリポソーム内への輸送は、ACS Synthetic Biologyに採択された。非対称膜ベシクルの形成は、 iScienceに採択された。
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Strategy for Future Research Activity |
膜透過ペプチドによる酵素のリポソームへの輸送効率を高める。そして、膜透過ペプチドによる酵素のリポソーム内輸送によって、酵素反応の開始を制御して酵素逐次反応をリポソーム内で再現する。リポソームで上手く研究が進まないときは、リン脂質-両親媒性タンパク質ベシクルを活用する。
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