2022 Fiscal Year Annual Research Report
Expansion of metabolic map and comprehensive annotation of genes with unknown enzyme function by next-generation metabolomic technologies
Project/Area Number |
22H01883
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
和泉 自泰 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (70622166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相馬 悠希 九州大学, 農学研究院, 助教 (80781955)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | メタボローム解析 / 機能的遺伝学 / ビッグデータ / 大腸菌 / エピメタボライト |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、「①エピメタボライトライブラリーの構築と代謝マップの拡張」および「②3960種の大腸菌単一遺伝子破壊株の網羅的定量メタボローム分析」の課題に取り組んだ。課題①では、大腸菌、酵母、ヒトに含まれることが知られている2,244種類の代謝物に対して56種類の代謝反応様式に基づくin silico代謝反応を最大で2段階行うことで約60万種のエピメタボライト候補を算出した。続いて、得られたエピメタボライト候補に対してin silico MS/MS predictionを行い、これらの情報をin silico epimetabolite database(IEMDB)に格納した。12C6-または13C6-グルコースを用いて培養した大腸菌サンプルを用いて検証した結果、2,046種類の親水性代謝物候補の中から標準品を指標に106種の代謝物を同定し、IEMDBによるプリカーサーイオンの一致度およびプロダクトイオンのアノテーションスコアを基に90種類のエピメタボライトの帰属に成功した。 課題②では、「96-wellプレートを使用した細胞培養および高速・高精度のサンプル調製法の開発」を行った。Synergy HTXマルチモード・プレートリーダー (BioTek) を用いて96-wellプレートに播種した野生型の大腸菌の増殖速度を基に、培養条件の最適化を行った。具体的には、前培養や本培養での菌体播種量、回収時間、菌体回収法、抽出操作プロトコルを確立し、培地の添加やサンプルの回収操作などを自動分注器 (ASSIST PLUS, INTEGRA) を使用して行うことで、96-wellプレートを使用した迅速かつ再現性の高い、大腸菌の培養・サンプル調製法の立案に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題①の「エピメタボライトライブラリーの構築と代謝マップの拡張」については、(1)各種細胞の安定同位体in vivoラベリング(13Cグルコース、15N基質)、(2)Unified HILIC/AEX/HRMS/MSによるメタボローム測定、(3)非標識体および標識体由来のペアードピークフィルタリングおよび13C、15N情報を活用した組成式推定、(4)IEMDB(HRMSおよびHRMS/MS)によるピーク同定および構造の帰属、の研究計画に従い、大腸菌抽出液から90種類の親水性エピメタボライトの帰属に成功した。また、我々が考案したUnified HILIC/AEX/HRMS/MSによる新規のメタボローム分析法は、今年度、分析化学の専門誌であるAnalytical Chemistryに受理され高い評価を得た。 また、課題②の「3960種の大腸菌単一遺伝子破壊株の網羅的定量メタボローム分析」においては、プレートの種類や植菌法、前培養・本培養の時間や播種量を最適化し、大腸菌がもつ親水性から脂質までの幅広い代謝物を包括的かつ効率的に抽出するための溶媒および前処理条件も見出した。 以上のことから、現時点では、「おおむね順調に進展している」といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
課題①の「エピメタボライトライブラリーの構築と代謝マップの拡張」については、引き続き、Unified HILIC/AEX/HRMS/MS分析法およびEMDBを用いて大腸菌に含まれる未知の代謝物の帰属を進める。さらに、親水性代謝物の包括的分析法であるUnified HILIC/AEX/HRMS/MSを拡張し、親水性から疎水性に至る超網羅的な代謝物を一斉に測定可能な分析系へと進化させる。 課題②の「3960種の大腸菌単一遺伝子破壊株の網羅的定量メタボローム分析」については、相馬らと協議しながら3960種の大腸菌のデータ取得を開始する。具体的には以下の手順に従い研究を進める。(1)96-wellプレートに播種した3960種の大腸菌の増殖速度および培地成分分析、(2)96-wellプレートを用いたメタボローム分析に資するサンプル調製法の開発、(3)Unified-HILIC/AEX/HRMS/MS分析によるメタボローム分析を開始する。
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Research Products
(39 results)
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[Journal Article] Remote solid cancers rewire hepatic nitrogen metabolism via host nicotinamide-N-methyltransferase.2022
Author(s)
Mizuno R, Hojo H, Takahashi M, Kashio S, Enya S, Nakao M, Konishi R, Yoda M, Harata A, Hamanishi J, Kawamoto H, Mandai M, Suzuki Y, Miura M, Bamba T, Izumi Y, Kawaoka S*.
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 13(1)
Pages: 3346
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] In-needle pre-column derivatization for amino acid quantification (iPDAQ) using HPLC.2022
Author(s)
Soma Y, Izumi Y, Shimohira T, Takahashi M, Imado Y, Tominaga S, Tokito K, Hata K, Shinadama S, Oshiro M, Hayakawa Y, Bamba T*.
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Journal Title
Metabolites
Volume: 12(9)
Pages: 807
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Symbiotic bacteria-dependent expansion of MR1-reactive T cells causes pancreatitis in the absence of Bcl11b in lymphocytes.2022
Author(s)
Shibata K, Motozono C, Nagae M, Shimizu T, Ishikawa E, Motooka D, Okuzaki D, Izumi Y, Takahashi M, Fujimori N, Wing J B, Hayano T, Asai Y, Bamba T, Ogawa Y, Furutani-Seiki M, Shirai M, Yamasaki S*.
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 13(1)
Pages: 6948
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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