2022 Fiscal Year Annual Research Report
Activation of hydrogen electrode reactions by controlling the interfacial hydrophilic/hydrophobic structure
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22H01887
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中村 将志 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (70348811)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 電極触媒 / 水電解 / 電気二重層 |
Outline of Annual Research Achievements |
水素極の水素酸化反応(HOR)および水素発生反応(HER)について,卑金属および貴金属電極の活性および耐久性の向上を実現するために電気二重層のイオン種および界面水の機能に着目し,活性化および劣化メカニズムの解明に基づく最適な電極界面を構築する。本年度は卑金属としてニッケル電極を用いて,はじめに水素極反応活性の表面配向依存性を調査した。Ni電極は表面の表面に酸化物が形成されることにより活性が向上し,酸化物生成のための酸化電位に大きく依存する。オキシ水酸化ニッケルが形成されると活性が低下することがわかった。表面配向依存性を調査したところNi(110)が最大活性となった。また,電解質カチオン種によっても活性が変わり,セシウムイオンを含む溶液で高活性であった。 本研究では,界面の疎水性・親水性を制御するために,有機物種を電極表面修飾するが,従来から実施されている溶液中への浸漬法や電解質溶液の添加だけでなく,超高真空中でのエレクトロスプレー法により導入する。エレクトロスプレー法では難溶性の分子サイズの大きな有機イオンを導入できる。本年度は,超高真空中においてエレクトロスプレーにより修飾した電極をアルゴン中で電気化学セルに移送し電気化学特性を評価できるシステムを構築した。適切に修飾されるかを確認するためにPt(111)表面にメラミンを修飾し,電解質溶液中において酸素還元反応活性を評価した。浸漬法と同等なORR活性であり,表面に修飾されていることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エレクトロスプレー法による修飾のための真空装置の立ち上げおよびアルゴン雰囲気下での電気化学セルへの移送が可能となり,十分な精度で電気化学測定が可能となった。また卑金属電極基板となるニッケルの水素極の活性化条件が明確となり,有機物修飾によるさらなる活性化のための基準が定まった。また,2023年度に実施する界面構造の解明に用いる電気化学走査型トンネル顕微鏡の立ち上げも完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,卑金属単結晶基板上にエレクトロスプレー装置を用い疎水性有機物を修飾し,水素極反応の活性化を目指す。有機カチオンとしては四級アンモニウムイオンおよびメラミン誘導体など窒素含有カチオン有機物を基本とし,アルキル鎖の構造を変えて疎水性を制御し反応活性を評価する。また,これらの有機物の安定化のためアニオンの導入も考慮する。トリフルオロメタンスルホニルイミド(TFSI)などイオン液体としても用いられているものを使用する。置換基には直鎖,分岐鎖状アルキル基 やアリール基など疎水性度および立体構造を考慮し,各基板表面での有機カチオンの活性序列を明らかにする。 HER/HOR高活性となる有機物修飾界面の構造解明を目指す。高活性を示す修飾電極を用いて電気化学走査型トンネル顕微鏡(EC-STM)により界面構造決定を行う。EC-STMでは,水分子の観測は難しいがサイズの大きなアンモニウムカチオンについては捉えることが可能である。また,表面の酸化や溶解過程の追跡も可能であり高耐久性となるイオン種の探索に用いる。放射光X線回折により界面構造を決定し,振動分光法によりアルキル基や水和水の配向を決定する。
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Research Products
(6 results)