2022 Fiscal Year Annual Research Report
電子的非対称型グラフェンナノリボンの表面合成技術の開発と応用
Project/Area Number |
22H01891
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂口 浩司 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (30211931)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | グラフェンナノリボン / 化学気相成長法 / 低温合成技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
強誘電性、強磁性等の機能を持つ新ナノ炭素材料を目指し、片側エッジのみに電子供与性基や安定ラジカル等の官能基を有する新しい非対称型グラフェンナノリボン(GNR)構造を提案する。この新物質を実現するには、官能基の分解を避ける非常に低温で成長させる新しいGNR気相合成法の開発が不可欠である。本提案では、前駆体分子を金属表面上で気相重合して形成させた高分子に、水素受容性分子ガスを照射することで水素引き抜き反応を起こし従来に無い低温で脱水素縮環反応を起こす新しいGNR気相成長技術「分子気相アシスト法」を開発する。更にこの新手法を用いて電子的異方性を有する新しい非対称型GNRの表面合成に挑む。合成した新しい材料の応用に向けた可能性を目指す。本年度は、有機合成した対称型前駆体分子を化学気相成長法を用いて、250℃で前駆体高分子をAu(111)基板上に形成させた後、酸素ガスや水素受容体分子ガスを照射させ、脱水素縮環反応を起こさせGNRを合成する低温成長法の確立について検討した。その結果、照射ガス量や温度を精密に制御することにより、通常の真空加熱法では前駆体高分子の500℃で生成するGNRが、350℃の低温でも形成する事を明らかにした。以上から、水素受容性ガスの前駆体高分子への照射による低温GNR合成法に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、本年度は、有機合成した対称型前駆体分子を化学気相成長法を用いて、250℃で前駆体高分子をAu(111)基板上に形成させた後、酸素ガスや水素受容体分子ガスを照射させ、脱水素縮環反応を起こさせGNRを合成する低温成長法の確立について検討した。その結果、照射ガス量や温度を精密に制御することにより、通常の真空加熱法では前駆体高分子の500℃で生成するGNRが、350℃の低温でも形成する事を明らかにし、水素受容性ガスの前駆体高分子への照射による低温GNR合成法に成功した。以上から順調に進展しているものと評価される。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画通り、次年度は非対称型前駆体分子を用いた非対称型GNRの合成を目指す。
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