2022 Fiscal Year Annual Research Report
2次元物質・3次元物質ヘテロ構造を用いた室温光スピントロニクス機能の実現
Project/Area Number |
22H01896
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井土 宏 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任准教授 (20784507)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 2次元物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では2次元物質と非層状物質(3次元物質)のヘテロ構造を用いることで、2次元物質の新奇な物性と、3次元物質の磁性体における良好な磁気特性を両立し、スピントロニクス現象と2次元物質特有の現象を融合する舞台を創出することを目的としている。近年、室温で薄膜において磁気現象を発現するノンコリニア反強磁性体が盛んに研究されており、本課題においては、ノンコリニア反強磁性体薄膜と2次元物質の接合のヘテロ構造に着目している。これらのいくつかの物質の組み合わせにおいて、ヘテロ構造を作成し、その評価を行った。特に、2次元物質においては良好な結晶性を持つ薄片を用意し、ノンコリニア反強磁性体との接合を作製した。その際、いくつかの2次元物質に関して接合の作製を行った。光学特性の空間分布に関して評価を行った。反射率を用いた試料の評価法に関して、多層膜が合金化して、基板から物理的に剥離されて間隙を生じる場合に注目し、そのときの反射率の変化を、多層膜の光学定数と厚さ、および間隙の厚さとの関係について定量的に整理し、実験結果と比較を行い論文を出版した。今回実験的に作製したヘテロ構造においては、反射率が空間的に非一様になる場合と一様になる場合が得られた。非一様な反射率がみられた場合に関しては、界面における不必要な合金化が起きたと考えられた。一様な反射率が得られる組み合わせに関して注目し、今後その試料作製の最適化を引き続き進め、物性開拓を行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2次元物質と非層状物質のヘテロ構造において、物質の組み合わせにより光学特性が空間的に異なることが分かり、一様な場合について注力するという指針が得られた。また、評価方法に関して論文を出版できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は一様な反射率が得られる組み合わせに関して注目し、その試料作製の最適化を引き続き進め、物性開拓を行う。
|