2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of materials reservoir devices consuming ultra-low energy consumpution utilized chemical dynamics of nanosystems
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22H01900
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 啓文 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (90373191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田向 権 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (90432955)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | マテリアル知能 / インマテリアル演算 / ランダムネットワーク / 非線形ノード / 低消費電力 / 物理リザバー |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は、ナノマテリアルのランダムネットワーク中で、入力信号を化学ダイナミクスにより変調させた場合に、なぜ低消費電力人工知能(AI)演算素子である「マテリアルリザバー」デバイスとして機能するのかを解明するものである。そこで、まず最初に行った研究内容が、リザバー材料の探索およびリザバーデバイスの確立であった。リザバー材料として様々な材料系を試行したところ、Ag2Sアイランドとナノ粒子、Ag2Seナノワイヤー、カーボンナノチューブ3次元ネットワークなどを試行した場合に、そのランダムネットワークが精度の高いリザバーとして動作することを確認した。特にノード(ジャンクション)の数が増大するとメモリ容量が増加することが2次元デバイス同士の比較、2次元と3次元デバイスの比較により確認された。リザバー計算のランダム構造とマテリアルランダムネットワークの親和性は高く、化学ダイナミクスの導入によりリザバーとして活用できることが分かった。しかし、それらの内部挙動が不明なためなぜ情報処理が可能かはいまだ不明で、今後解明を進める。電極数については16電極から128電極まで増大させ、人工知能制度を調べたが40電極程度で飽和することも分かった。また、もう一つの課題である、「どのような材料系がマテリアルリザバーに適しているのか」については非線形性の強い材料がより、高精度の人工知能デバイスになることが分かっており、非線形性をいかに強くするかが課題となることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年の研究目標は潜在的知能演算としての材料の化学ダイナミクスの種類・非線形性と演算能力の関係調査とした。そのために行ったのは、リザバー材料の探索およびリザバーデバイスの確立であった。リザバー材料としてAg2Sアイランドとナノ粒子、Ag2Seナノワイヤー、カーボンナノチューブ3次元ネットワークなどを試行し、そのランダムネットワークがリザバーとして動作することを確認した。これらをプロトタイプとして、今後の研究につながるものとして注目される。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度得られた結果をもとに、「ソフトウェアで使われるノードの非線形関数とマテリアルのそれでは全く関数が異なるにもかかわらず、なぜきちんとAIハードウェアとして学習予測が可能となるのか」の解明を進める。
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