2023 Fiscal Year Annual Research Report
Si量子ドットの表面構造と高機能化:量子収率80%,熱水(80℃)の耐久性を超え
Project/Area Number |
22H01909
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
齋藤 健一 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 教授 (80302579)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | シリコン / 量子ドット / 量子ドットLED / 量子ドットフィルム |
Outline of Annual Research Achievements |
量子ドットは夢の材料とよばれ,それを用いたTVやタブレットが出回り始めた。しかし,その本格的普及には解決すべき課題(毒性,効率,耐久性)がある。応募者は過去19年間の研究で,世界初の青色発光のシリコン量子ドット(SiQD)ならびにそのLED の開発,もみ殻を原料としたSiQD LED の開発,世界最高レベルの発光効率のSiQDの合成,などを報告してきた。これらの成果を基盤に,本研究では以下の二つを展開する。(A)複数の手法でSiQDを合成し,表面構造と発光効率との相関,(B) SiQDの表面構造と発光安定性の相関,それぞれの解明である。これらの研究は,SiQDを用いた量子ドットフィルムと量子ドットLED開発の屋台骨となる。実用化を見据えたCdフリー,鉛フリーの量子ドットの基礎研究を行い,安全・安心・安価な光材料という視点より,豊かな社会発展の基盤となる独創的・先駆的な研究を展開する。 2023年度の研究において大きな進展があった。具体的には,HSQポリマーを前駆体とし,世界トップレベルの発光効率を有するSiQDの合成に成功した。また,発光効率に必要な前駆体の構造も決定された。更に,これを発光体としたLEDを開発し,その変換効率も世界トップレベルとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
二つの大きな成果をあげられたから,具体的には,世界トップレベルの発光効率を有するシリコン量子ドットの合成に成功した。また,世界トップレベルの変換効率を有するシリコン量子ドットLEDの作製に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,(A)表面構造と被覆率の異なるシリコン量子ドット(SiQD)を合成する。その表面構造と発光効率(PL量子収率,EL外部量子収率)の相関性を解明する。次に,(B)それぞれのSiQD溶液,SiQDフィルム,SiQD LED において,表面構造と長期安定性の相関性を追跡する。具体的には以下の通りである。【1】赤色発光のSiQDの合成:前駆体となるHSQポリマーの合成,熱処理,化学エッチング,アルケンによる表面修飾により合成する。【2】緑色発光のSiQDの合成:ハロシランの液相還元法より,緑色発光するSiQDの合成に成功した。目的は概ね達成できたため,今後は,別の手法で青色発光と緑色発光するSi量子ドットの合成に展開する。【3】SiQDの評価:サイズによる発光波長,スペクトル幅の相関性を解明し,さらにシャープな発光幅にするにはどうするか検討する。【4】Si量子ドットLEDの作製: これまでに,順構造と逆構造の両者において,世界トップレベルの発光効率を有するSiQD LEDの開発に成功した。今後は,これらのLEDの更なる効率の上昇と耐久性の向上を追求する。
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Research Products
(25 results)