2022 Fiscal Year Annual Research Report
Process development and characterization of edge-selective termination of 2D atomic-layer semiconductors
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22H01912
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
野内 亮 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (70452406)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 原子層半導体 / 二次元材料 / 二硫化モリブデン / 電界効果トランジスタ / 閾値電圧シフト / 表面吸着効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来のシリコン等の3次元半導体と違い、面内で結合が閉じた2次元構造を有する原子層半導体の場合、完全結晶では表面にダングリングボンドが無いため、ダングリングボンドの影響が軽視されてきた。しかし、エッジのダングリングボンドがデバイス特性に及ぼす影響はマイクロメートルスケールに渡り得るため、エッジに局在する電子状態(=エッジ状態)の低減手法の確立が必要である。本研究では、高集積化技術との親和性が高いエッジ選択的終端化プロセスを採用し、エッジ選択的終端化がデバイス特性に及ぼす影響の包括的理解を目指している。
これまでに、代表的な原子層半導体である二硫化モリブデンを用いた電界効果トランジスタに関し、フッ素による終端化効果を調査してきたところ、特異な閾値電圧スイッチング現象を見出した。これは、ドレイン電圧の値に応じて電流が流れ始めるのに必要なゲート電圧値(閾値電圧と呼ばれる)がシフトするというものである。ドレイン電圧印加に伴い閾値電圧がシフトする現象はこれまでにも知られていたものの、そこから予想される閾値電圧シフト量よりも非常に大きなシフトが見られており、別の現象に基づくものと推定される。適切なエッジ終端化処理プロセスの確立のためにも、新たに見出したこの閾値電圧シフトの背景物理を明らかにしなくてはならない。また、別の視点に立てば、新規なメモリ素子への応用展開が期待される現象でもあるため、本研究の本来の目的を超えた成果を得たといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、原子層半導体のエッジ状態低減による原子層デバイスの性能向上を成し遂げるため、高集積化技術との親和性が高いエッジ選択的終端化プロセスの確立とエッジ選択的終端化効果の包括的理解を目指している。その目的のもとフッ素終端化効果について調査していた中で、二硫化モリブデン電界効果トランジスタにおいて、従来のメカニズムとは異なる特異な閾値電圧シフト現象を見出した。
適切なエッジ終端化処理プロセスを確立するためには、まず、終端化処理などに起因して出現する現象を洗い出すことが肝要である。新たに見出したこの閾値電圧シフト現象は、その最たるものといえ、目的達成のための重要な一歩である。また、本現象は新規メモリ素子への応用展開も期待され、本来の目的を超えて波及性を及ぼす可能性もある。以上を総合し、この評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的のもとフッ素終端化効果について調査していた中で、二硫化モリブデン電界効果トランジスタにおいて、特異な閾値電圧シフト現象を見出した。適切なエッジ終端化処理プロセスを確立するためには、まず、終端化処理などに起因して出現する現象を洗い出した上で、そのメカニズムを正しく理解することが肝要である。
そこで本年度は、この現象が何に起因するのかを明らかにするための調査をまず行う。本現象は、ドレイン電圧の値に応じて閾値電圧がシフトするというものである。ドレイン電圧印加に伴い閾値電圧がシフトする現象はこれまでにも知られていたものの、そこから予想される閾値電圧シフト量よりも非常に大きなシフトが見られており、別の現象に基づくものと考えられる。引き続き、代表的な原子層半導体である二硫化モリブデンの電界効果トランジスタを用いて、種々の表面処理を行うことで上記の現象が再現するケースを探る。これにより当該現象を解明することができれば、どのように終端化処理を行うべきか、という指針を得ることにもつながると期待される。
エッジ状態が低減できているか否かは、仕事関数の異なる金属を電極に用いたときにそれに応じて電極から半導体層への電荷注入障壁も変わるか否か、から判別できる。元の予定通り、この方向での実験環境を整備するため、並行して準備を行う。
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Research Products
(5 results)