2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of ion separation and transport device based on two dimensional nanosheets
Project/Area Number |
22H01916
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
馬 仁志 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, グループリーダー (90391218)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ナノシート / イオンデバイス / メンブレン |
Outline of Annual Research Achievements |
層状複水酸化物(LDH)ナノシート積層膜の幾何形状を設計し、幾何学的な制約と外部バイアス電圧の印加によりイオンの能動的輸送を可能とするイオンデバイスの作製を行った。2種類の典型的なLDH前駆体、すなわちMgAl LDHとCoAl LDHを剥離させ、高収率で単層ナノシートを得た。完全に単層剥離したLDHナノシートを真空ろ過することにより、優れた柔軟性と安定性を備えた自立膜の調製に成功した。再構築された積層膜は、約1.1 nmの大きな層間間隔を示し、迅速なイオン輸送に適したメンブレン構造となる。矩形の薄膜において、OH-やCl-などの陰イオン種に対して0.1Mの濃度まで10-2~10-1 S cm-1という高いイオンフラックスが得られた。これは、以前に報告された未剥離CoAl LDH膜よりも1桁高い値である。さらに、LDHナノシート表面の正電荷に支配されるイオン輸送特性に加え、幾何学的非対称形状の積層膜を構築することにより、典型的なダイオードのようなイオン電流整流現象を観測した。二等辺台形の薄膜をイオン整流器として利用した場合、外部バイアス電圧を印加することで、陰イオンを低い濃度側から高い濃度側への能動的なイオン輸送に成功し、最大約1000倍の濃度勾配に逆らって効率的イオン輸送が確認された。 本研究によって、LDHナノシート積層膜は未剥離の層状化合物と比較して大きな層間間隔を有し、イオンフラックスを大きく向上することが明らかになった。ナノシート積層膜に非対称形状因子を導入することにより、効率的なイオン輸送と分離、浸透圧エネルギーハーベスティングなど分野への応用展開に大きな可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナノシート積層膜は高いイオンフラックスを有することを確認した。その幾何形状を設計し、幾何学的な制約と外部バイアス電圧の印加によりイオンの能動的輸送を可能とするイオンデバイスの開発に大きな進展があった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、LDHナノシート積層膜の高いイオンフラックス特性を利用し、イオンデバイスの開発を引き続き推進するとともに、水解離反応を促進する無機固体電解質膜の創製に挑戦する。LDHナノシートは正に帯電するカチオン性であるため、ポリアニオンであるポリ(スチレンスルホン酸塩、PSS)などによるLDHナノシートの表面修飾を行い、アニオン性PSS-LDHナノシートを合成する、カチオン性LDHとアニオン性PSS-LDHナノシートの組み合わせでバイポーラ膜の形成を試みる。さらに、バイポーラ膜に遷移金属種LDHの導入を行う。3d遷移金属(Fe/Co/Ni等)の高い触媒能を利用することにより、水解離反応の活性化障壁を下げ、反応速度の向上を図る。LDHナノシートを用いた触媒・バイポーラ膜の構築により、市販の有機系バイポーラ膜より低い水解離電位の達成、高効率水分解システムなどの実現につながるための新しいアイディアを提供する。
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