2022 Fiscal Year Annual Research Report
Verification of magnetic/electronic/spin structure correspondence in topological magnets
Project/Area Number |
22H01943
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
黒田 健太 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (00774001)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 角度分解光電子分光 / トポロジカル電子物質 / スピン軌道結合 / 磁性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、ワイル磁性体などに代表されるトポロジカル磁性体において期待される磁気構造・電子構造・スピンテクスチャの相関特性を実験的に示す事である。この目的達成のために本年度では,この実証を可能にする実験装置として,マイクロ集光レーザーとスピン角度分解光電子分光を組み合わせた顕微スピン角度分解光電子分光装置を世界に先駆けて実現させるために装置開発を主に行った。その結果,紫外光 6-eV レーザーを光電子励起光源として,超高真空槽にある試料表面の位置で 5 マイクロメートル (5um) 以下の微小スポット化に成功した。また,装置の性能評価をした結果,微小スポットを利用した条件下で, 5meV 以下の高エネルギー分解能を有したままスピン分解測定が可能であることがわかった。さらに LabView を用いたグラフィックユーザーインターフェイスなどの測定環境を整備した結果,光電子強度・スピン分解シグナルの高速空間マッピングを行えるようになった。顕微スピン角度分解光電子分光の最終的な空間分解能は,レーザーのスポットサイズだけでなく,試料ステージ・真空槽ステージの熱ドリフトやレーザースポット位置のドリフトによって制限されるが,慎重に装置評価を行った結果,それらからのドリフトが 1 um 以下(7 時間程度のテスト測定)に抑えられていることが分かった。以上から,世界に先駆けて 5um スケールの高い空間分解能とスピン検出を両立させた,顕微レーザースピン角度分解光電子分光を本研究で実現させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたマイクロスケールの空間分解能を有する顕微スピン角度分解光電子分光装置を開発した。これに加えて低温の偏光顕微鏡などの環境も整備して CeSb などの物質で明瞭なドメイン構造と空間分布を捉えられるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度,顕微レーザースピン分解光電子分光装置の開発が完了して5 um以下の空間分解能で安定した測定が行えるようになった。次年度では,開発した装置を様々なトポロジカル磁性体などに適用して,磁気構造・電子構造・スピンテクスチャの相関関係の実証を目指す。また,昨年度に立ち上げた偏光顕微鏡の精度向上を狙う。光源を LED からレーザーに変更して,微小な偏光特性を見抜くためにロックイン検出を導入する。これらの測定を包括的に行うことで,実空間のドメイン構造を分離した,波数空間における本質的な特性を見出し対応付けることで本研究の完成を狙う。
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Research Products
(16 results)
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[Presentation] AB積層結晶の表面近傍電子状態におけるらせん対称性の破れ2023
Author(s)
田中宏明, 岡崎尚太, 小林賢, 福島優斗, 新井陽介, 飯盛拓嗣, Mikk Lippmaa, 山神光平, 小谷佳範, 小森文夫, 黒田健太, 笹川崇男, 近 藤猛
Organizer
日本物理学会 2023年春季大会
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[Presentation] 少数キャリア半金属 CeX における強相関電子状態2023
Author(s)
新井陽介, 黒田健太, 野本拓也, 筒井智嗣, 田中宏明, Yuyang Dong, 岩田拓万, 片山和郷, 水上雄太, 平井大悟郎, 辛埴, 久保田正人, 芳賀芳範, 鈴木博之, 宮坂茂樹, 田島節子, 有田亮太郎, 近藤猛
Organizer
日本物理学会 2023年春季大会
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[Presentation] 複合アニオン超伝導体 HfP2-xSex における線ノード型ディラック電子の直接観測2022
Author(s)
西岡幸美, 石坂仁志, 黒田健太, 井野明洋, Shiv Kumar, 島田賢也, 鬼頭聖, 長谷泉, 石田茂之, 岡邦彦, 藤久裕司, 後藤義人, 吉田良 行, 伊豫彰, 荻野拓, 永崎洋, 川島健司, 柳陽介, 木村昭夫
Organizer
日本物理学会 2022年秋季大会
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[Presentation] Fe3Ga薄膜のスピン分極バンド構造の観測2022
Author(s)
大和田清貴, 中西楓恋, 黒田健太, 宮本幸治, 奥田太一, 周偉男, 佐々木泰祐, 磯上慎二, 増田啓介, 桜庭裕弥, 木村昭夫
Organizer
日本物理学会 2022年秋季大会
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[Presentation] 角度分解光電子分光で解明する多層型高温超伝導体の強結合超伝導状態2022
Author(s)
黒川輝風, 大久保卓, Z. Yang, 野村肇宏, 小濱芳允, 國定聡, 酒井志朗, C. Lin, 黒田健太, T. K. Kim, M. Wattson, C. Cacho, 辛埴, 遠山貴己, 常盤和靖, 近藤猛
Organizer
日本物理学会 2022年秋季大会
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[Presentation] Relationship between electronic structure and magnetism of Gd-based skyrmion materials studied by ARPES2022
Author(s)
Yuyang Dong, Masayuki Ochi, Yosuke Arai, Kenta Kuroda, Natsumi Tanaka, Ryu Nakachi, Yuxuan Wan, Donghui Lu, Makoto Hashimoto, Timur Kim, Matthew Watson, Cephise Cacho, Takayuki Muro, Ryuji Higashinaka, Yuji Aoki, Tatsuma D. Matsuda, Takeshi Kondo
Organizer
日本物理学会 2022年秋季大会