2022 Fiscal Year Annual Research Report
偏光・波面制御システムによる超微細金属ホログラフィックパターニング技術の創成
Project/Area Number |
22H01987
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小野 篤史 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (20435639)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石飛 秀和 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 准教授 (20372633)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 非線形光学 / レーザープロセシング / ナノ光工学 / 表面プラズモン |
Outline of Annual Research Achievements |
金属ナノパターニング技術は,電子デバイスの微細電極形成技術としてだけでなく,プラズモニックデバイスやメタサーフェスなどの金属ナノ構造作製技術として光学分野においても重要視されている.主な作製手法として電子線リソグラフィによるリフトオフプロセスが挙げられ,微細かつ精密な金属ナノ構造体が作製されるため,研究開発分野において重宝されている. 研究代表者らは,電子線リソグラフィや真空蒸着などの真空プロセスが不要かつフォトマスクが不要なレーザー光還元法による金属ナノパターニング技術を新たに開発した.パターニングにおいて,光強度分布だけでなく偏光分布も微細化に寄与していることを突き止めたため,光強度と偏光制御による新たな金属ナノパターニング技術の確立を目指す. 本年度は,偏光・波面制御のための空間光位相変調器を新たに導入し,フェムト秒レーザー照射光学系に組み込んだ.変調器面がサンプル集光面とフーリエ面となるよう光学系を設計し直した.また,従来の照射光学系もそのまま利用できるよう光学系を構築した.さらに,光還元反応による金属析出性の向上という観点から材料開発に取り組んだ.現在使用している試料である硝酸銀混合ポリマーを基準として,ポリマー官能基のカルボキシル基に対して銀イオン濃度が3当量が適切値であり,4当量の場合,プリベーク時に溶媒が揮発することにより過飽和となり銀析出が生じることを明らかにした.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
偏光・波面制御システムによる超微細金属ホログラフィックパターニング技術の創成に向けて,当初計画通り空間光位相変調器を導入して新たに光学系を構築できたため.また,材料開発においても新たな知見が得られているため.
|
Strategy for Future Research Activity |
試料面においてホログラフィックに2次元パターンが光照射されるように空間光位相変調器により波面制御し,超金属金属ホログラフィックパターンを作製する.さらに,空間光位相変調器を用いてラジアル偏光やアジマス偏光など,集光点において特異な偏光分布を示すベクトルビームを生成し,偏光制御システムによる超微細金属構造形成技術を確立する. また,材料面のアプローチからは,金属イオン濃度だけでなく,サンプル厚さに対する金属微細構造形成依存性を明らかにする.
|