• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Annual Research Report

血中酵素の1分子デジタルSERS計数法の開発

Research Project

Project/Area Number 22H01996
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionInstitute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

安藤 潤  国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 研究員 (40623369)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords表面増強ラマン散乱
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、表面増強ラマン散乱分光計測に特化したマイクロチャンバーアレイの開発を行なった。マイクロチャンバーアレイ形成のため、フォトリソグラフィーを基軸とした微細加工技術を駆使して開発を進めた。基板上面に塗膜した樹脂に対して、マイクロスケールのチャンバーをアレイ状に安定して再現性高く形成する工程の最適化を行った。さらに、形成したマイクロチャンバーアレイに金属ナノ構造を付加する試験も併せて行なった。用いる基板や、基板上に塗布する樹脂の材質、膜厚、チャンバーの直径、ピッチ、配列パターンや、チャンバーアレイに付加する金属ナノ構造の金属種、サイズ、形状など、種々の条件について検討を行い、マイクロスケールの個々の微小環境内において、表面増強ラマン散乱分光計測が可能となる、新たな機能化マイクロチャンバーアレイを開発することができた。また、マイクロチャンバーアレイを用いた酵素のラマン分析を行うための、ラマン散乱分光イメージング装置の設計と構築も併せて行なった。構築した計測装置を用い、表面増強ラマン散乱分光計測の感度や、イメージングの時間分解能、空間分解能などについても検証を進めた。さらに、開発したマイクロチャンバーアレイに対し、標準試料として精製した酵素と基質を混合した溶液試料を封入し、開発装置によるラマン分光イメージングを行うことで、酵素の活性を1分子毎に計測するデジタルラマン分光計測の原理検証を進めることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度、当初の計画どおり、表面増強ラマン散乱分光計測に特化したマイクロチャンバーアレイの開発、マイクロチャンバーアレイの分光分析に用いるラマン分光イメージング装置の設計・構築、および、チャンバーアレイとイメージング装置を用いた酵素1分子のデジタルラマン分光計測の原理検証を進めることができたことから、おおむね順調に進展していると判断した。計画のとおり、微細加工技術によって基板上の樹脂にマイクロチャンバーアレイを形成するとともに、種々の条件検討を経て、金属ナノ構造を付加した新たな機能化マイクロチャンバーアレイの開発を推進できた。マイクロチャンバーアレイを用いたラマン分析を行うラマン分光イメージング装置の設計と構築も順調に進展し、その性能評価にも取り組むことができた。加えて、開発した機能化チャンバーアレイとイメージング装置を活用し、酵素1分子のデジタルラマン計測の原理検証を進めることができた。いずれも次年度に繋がる進捗が得られており、全体として計画どおりに順調に研究を推進できていると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

今後、開発した機能化マイクロチャンバーアレイを試料に用い、これを迅速に分光分析に供する高速ラマン分光イメージング装置の設計と構築を行うことを計画している。励起レーザー光の波長、光強度、照明パターンなど、種々の実験条件について検討を行い、同時に分光計測可能なチャンバー数を増加させ、分光分析・イメージングの高速化を図る。また、機能化マイクロチャンバーアレイの定量迅速評価システムの構築と、その評価法の確立にも取り組み、本研究開発における計測の定量性や安定性の向上に繋げる方策である。さらに、上記の高速イメージング装置による酵素1分子のデジタルラマン分光計測の原理検証を進めるとともに、検出下限や時間分解能等の詳細な評価を行うことを計画している。最後に、本研究で開発する技術を、血液等のヒト検体試料に含まれる微量な酵素の高精度・直接検出に応用する研究開発を計画している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 金属ナノ粒子とラマンタグによる生体の分光分析イメージング2023

    • Author(s)
      安藤 潤
    • Journal Title

      分光研究

      Volume: 72 Pages: 2-17

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi