2022 Fiscal Year Annual Research Report
インテグレイテッド・マテリアルズのパルス中性子波長分解型イメージング
Project/Area Number |
22H01998
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 博隆 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (30610779)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 中性子 / イメージング / 複数材料 / 構造 / ダイナミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
パルス中性子波長分解型イメージングは超階層的マテリアル解析法であるが、実製品を構成するマテリアルそれぞれの構造とダイナミクスの解析は実現していない。本研究は「複数材料」と「構造だけではなくダイナミクスも」という2つをキーワードに、パルス中性子波長分解型イメージングの発展的研究を行うものである。実験装置(北海道大学大学院工学研究院の電子線形加速器駆動パルス中性子実験施設「HUNS」)の高性能化、多重散乱やバックグラウンドへの対応、ダイナミクス解析を実現するため、実験ならびに解析計算のみならず、粒子輸送計算や機械学習とも連携して研究を進めていく。 北海道大学大学院工学研究院の電子線形加速器駆動パルス中性子実験施設「HUNS」の高性能化に関しては、粒子輸送計算により、中性子発生標的-中性子減速体直列配置型中性子源を見い出すことに成功した。これにより、ガンマ線束増加割合以上に中性子束増加割合を増やすことに成功した。中性子透過率スペクトル計算コードで計算した中性子透過率スペクトルを機械学習させることにより、従来よりも簡単に金属材料の結晶組織構造情報イメージングを行うことを可能とした。原子ダイナミクス解析を利用した中性子サーモグラフィの開発については、研究成果をScientific Reports誌に論文掲載することができた。その一方、現在の解析モデルであるデバイモデルでは不十分で、Quasi-harmonic Approximationの導入を進める必要がある可能性を見い出した。含水素物質の解析においては多重散乱やバックグラウンドが問題となるが、多重散乱によるスペクトル形状の変化と、それを考慮した新しいスペクトル解析法を提案することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全研究項目の第1段階を予定通り消化することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
北海道大学大学院工学研究院の電子線形加速器駆動パルス中性子実験施設「HUNS」の高性能化に関しては、実機による検証の段階へ進む。機械学習解析結果にはまだ正確ではないものもあるので、その原因究明を進める。原子ダイナミクス解析については、解析モデルの改善を進める。複数物質解析については、多重散乱の影響下でどこまで応用研究に耐えられるのかの検証のフェーズに移行していく。
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Research Products
(17 results)