2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a compact small angle neutron scattering instrument using neutron focusing mirror and progress of the focusing technique
Project/Area Number |
22H02006
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
日野 正裕 京都大学, 複合原子力科学研究所, 教授 (70314292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細畠 拓也 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 上級研究員 (00733411)
小田 達郎 東京大学, 物性研究所, 助教 (70782308)
吉永 尚生 京都大学, 複合原子力科学研究所, 技術職員 (90795535)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 中性子光学 / 多層膜 / 中性子集光 / 小角散乱 |
Outline of Annual Research Achievements |
中性子集光ミラーの限界を目指して、まず平面でどこまで薄い層として明確に層として機能できるか、また膜厚分布をコントロールできるかを評価した。多層膜ミラーの成膜は京大複合研のイオンビームスパッタ装置(KUR-IBS)を用い、そのほぼ最大の成膜エリアに当たるΦ400mmを超える領域で、膜厚1nm程度でも明確に層として機能し、高い中性子反射率が得られるNiC/Ti多層膜中性子ミラーの成膜条件の目処をたてた。 集光ミラー評価のために、空間分解能1mm以内の2次元中性子検出器の整備として、中性子シンチレーター、光電子増倍管、高圧電源からなるハードを整備した。またJRR-3 C3-1-2(MINE1)ポートにおいて、全長3m程度でコンパクトなサイズで、実用的なQレンジをカバーする集光中性子小角散乱装置のデザイン検討した。ここで、現在我々が確立した金属基板による中性子集光ミラー製作手法は、形状精度や平面とほぼ変わらぬ高臨界角のスーパーミラーが実現できる等、非常に優れているが、集光ミラー形状を容易に変えることが難しい。このため、現在ある形状の回転楕円体集光ミラー形状をできるだけ利用することと共に、福井県敦賀市「もんじゅ」サイト新試験研究炉やJ-PARC MLF第2ターゲットステーション等、次世代中性子利用施設における利用として、量産への道筋も考慮して、多層膜集光ミラー開発を行うこととした。なお2022年度は、KUR-IBSの故障が相次いだため、その修理に多くの時間を使った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
多層膜ミラーの成膜構造最適化検討に使用していた成膜装置の駆動機構及び電源等に不測の故障が生じる等、機器の安定稼働に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
多層膜中性子ミラーは、京大複合研のイオンビームスパッタ装置(KUR-IBS)を用いて、集光ミラーの成膜を行う。シリコンやガラスといった平面基板を中心に、集光ミラーの形状と多層膜ミラーの膜構造の最適化を引き続き行い、JRR-3 C3-1-2(MINE)ポートにおいて、集光デバイスを構築を目指す。
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