2023 Fiscal Year Annual Research Report
Innovative study on carrier transport mechanism in TlBr gamma-ray detector based on wavelength-resolving neutron imaging
Project/Area Number |
22H02008
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡辺 賢一 九州大学, 工学研究院, 教授 (30324461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 正人 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (10397466)
野上 光博 東北大学, 工学研究科, 助手 (10847304)
人見 啓太朗 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60382660)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | TlBr検出器 / 時間分解中性子イメージング / 第一原理計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の研究実績の概要は以下の通りである。 1)中性子BDイメージング法、EBSDおよび偏光イメージングによる歪み評価:前年度の検討により、結晶は育成方向に沿って成長していき、育成方向に垂直、かつ数mm程度の厚みに結晶を切り出した場合は、切り出し面表面の結晶方位はサンプル厚さ内の結晶方位を概ね反映しているという知見を得ているため、本年度はEBSDによる結晶方位分布計測実施した。φ18×3mmのTlBrウェハーについて、EBSD測定を行い、キャリア輸送特性との比較を行った。 2)歪み制御された部位の選択および検出器の製作:育成した結晶を、EBSDにて方位分布を計測した上で、キャリア輸送特性評価のために、電極形成、ワイヤ接続により検出器とした。 3)キャリア輸送特性の評価:前年度に整備したレーザー誘起キャリア飛行時間(TOF)測定システムを用いてサンプル内の電子の移動度二次元分布を評価した。1)で実施したEBSDによる測定結果と比較した結果、結晶粒界と移動度の分布に相関がみられる部分も確認された。結晶方位、結晶性と移動度の関連性を調べるための基礎データを取得可能な環境が整備された。また、μτ積については、条件を吟味しないと評価が困難であることが見いだされた。次年度以降、測定条件等を見直し、μτ積についても評価することを試みる予定である。 4)第一原理計算によるバンド構造評価:試験的にTlBrに関する第一原理計算を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の実施項目に関して、1)中性子BDイメージング法、EBSDおよび偏光イメージングによる歪み評価については、キャリ輸送特性用のサンプル評価が実施可能であることが確認され順調に進展している。また、2)歪み制御された部位の選択および検出器の製作 、3)キャリア輸送特性の評価、4)第一原理計算によるバンド構造評価についても、各種確認が進められて想定通りの進展状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策は以下の通りである。 1)中性子BDイメージング法、EBSDおよび偏光イメージングによる歪み評価:これまでの結晶方位の評価に留まらず、方位の一様性等の結晶性に関するパラメータの抽出を試み、キャリア輸送特性との比較を進める。 2)歪み制御された部位の選択および検出器の製作:EBSDで評価されたサンプルで検出器を製作し、その性能評価を進め、各々の関連性について検討する。 3)キャリア輸送特性の評価:製作した検出器のキャリア輸送特性を評価し、歪み等との関連性を調べる。 4)第一原理計算によるバンド構造評価:計算で得られた結果について、実測結果との対応性について議論を進める。
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