2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of operando measurement system based on ultrasoft-x-ray charged-particle-yield surface XAFS and its application to studies on catalysis
Project/Area Number |
22H02039
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
近藤 寛 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (80302800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊島 遼 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 助教 (20844806)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | XAFS / オペランド計測 / 触媒 / 極端軟X線 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は本課題の初年度であり、荷電粒子収量および蛍光収量による極端軟X線XAFSと質量分析法による反応生成物計測ができる装置の製作に取り組んだ。装置はビームラインインターフェース部、XAFS計測部、質量分析計測部から構成される。ビームラインインターフェース部は既存の設備の一部の排気系を強化して、安全性と操作性を向上させた。XAFS計測部は固気界面用と固液界面用の反応セルを設計し、両者とも、荷電粒子収量(電子収量・イオン収量)および蛍光収量の測定ができるようにした。そのために、固気界面用セルでは、X線を導入するための200 nmの厚さのSi3N4窓の周囲に金電極を配置し、試料を窓から約1 mm離して設置した。固液界面用セルでは窓に金電極を蒸着し、試料を金電極に直接薄層塗布することにした。また、固気界面用セルには、試料に可視・紫外光を照射するための光ファイバーを導入した。一方、固液界面用セルでは、可視・紫外光をセル背面に石英窓を設けて導入できるようにした。反応セル中の反応・生成ガスをモニターするための質量分析計を独立した真空容器に設置して、触媒活性をリアルタイムでモニターできるシステムを製作した。ビームラインインターフェース部とXAFS計測部を放射光施設のビームラインに接続して、可視・紫外光による光触媒のキャリアーの挙動をXAFS測定によって追跡する実験が行えることを確認した。また、本測定システムでオペランド計測するのに適した触媒系の探索を行い、候補となる触媒系を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画していた測定装置の製作・立ち上げは、質量分析システムの接続を除いて予定通り行うことができた。さらに、製作したXAFS計測部に実際の試料を設置したうえで、インターフェース部を介してビームラインに接続して極端軟X線を導入しながら、可視・紫外光の照射による試料の応答を、XAFS測定によって追跡できることを確認できた。初年度に計画していた内容をほぼ達成することができたので、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に立ち上げた質量分析システムをXAFS測定部に接続して、触媒活性をリアルタイムで測定できるようにする。XAFS測定部に設置する触媒およびその設置の仕方を最適化しながら、可視・紫外光照射下の光触媒のオペランドXAFS計測を行い、光照射によって光触媒に誘起されるキャリアー移動を明らかにすることを目指す。また、初年度に見出した本システムによるオペランド計測に適した触媒系についてもオペランド計測を試みる。
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