2022 Fiscal Year Annual Research Report
振動分光法と原子間力顕微鏡による反応高活性な固液界面構造の3次元解析
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22H02047
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
星 永宏 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (30238729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小関 泰之 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (60437374)
中村 将志 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (70348811)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Pt単結晶電極 / 誘導ラマンスペクトル / 周波数変調原子間力顕微鏡 / 疎水性物質 / 水構造変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
Pt(111)電極上の酸素還元反応(ORR)の活性は,疎水性有機物の修飾によって大きく向上することが知られている。疎水性有機物の修飾により,ORR阻害種のPtOHの被覆率が減少し,活性が向上することが赤外スペクトルの測定で明らかになっているが,ORR活性に寄与する疎水性有機物の吸着配向や水の構造変化は解明されていない。この研究では,SRSを用いて従来の赤外スペクトルやラマンスペクトルでは観測できない疎水性有機物を検出し,周波数変調原子間力顕微鏡(FM-AFM)を使って,疎水性物質による水の構造変化を観測することを目標にしている。 今年度はSRS測定用の電気化学セルを設計・製作した。微量な不純物が存在してもSRS測定に影響を与えるため,測定中に電極表面に汚れが付着しない条件を探索中である。SRS測定の予備実験として,ナノ微粒子表面増強ラマンスペクトル(NPSERS)を用いて,四級アンモニウムカチオンのTHA+で修飾したPt(111)単結晶電極上でPtOの測定を行った。THA+修飾でPtOのバンド強度が減少し,PtOHだけでなくPtOもTHA+による活性向上の要因であることを明らかにした。 FM-AFMによる水の構造変化に関しては,金沢大学福間研究室と共同で行うことに合意した。FM-AFM用の電気化学セルの設計と作製は福間研で完了している。FM-AFM用のPt大型単結晶も購入し,Pt単結晶をアニール・冷却後に原子レベルでの平滑性を保ったまま,FM-AFMセルにセットする方法も開発済みである。 2023年度には,SRS測定とFM-AFM測定を本格的に開始する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
テフロン製品が品薄になっている影響で,SRS用の電気化学セルの製作が遅れた。完成したSRSセル中で電気化学測定を行った際,Pt単結晶電極上に想定以上の汚れが付着することが分かり,SRSスペクトルの測定に汚れの影響が出ない実験条件を模索するのに手間取った。
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Strategy for Future Research Activity |
SRSセル中に溶出する汚れは,窓とセルを密着させるパッキンが原因と特定できたので,パッキンの材質を変更してSRS測定に着手する。 FM-AFM測定に関しては,準備が順調に進んでおり,5月中にz方向の水密度分布の測定を開始する。
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