2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Methods for Organic Synthesis Based on Sequential Functionalization of Remote Sites
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22H02085
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
河内 卓彌 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (70396779)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 遠隔二官能基化 / チェーンウォーキング / ジボリル化 / アルケン / パラジウム触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はパラジウム触媒を用いたチェーンウォーキングを経る環化反応を開発してきており、最近ではジボロンやヒドロボランを反応剤として使用することで、内部アルケンと末端アルケンを併せもつ1,n-ジエン類の遠隔位ジボリル化・環化反応やヒドロホウ素化・環化反応が進行することを見出している。本研究では、よりシンプルな反応の開発を目指して、官能基をもつ末端アルケン類の遠隔ジボリル化反応を検討した。なお、環化過程を含まないアルケン類の単純な付加型遠隔二官能基化反応は、高い原子効率や反応の革新性からその開発が期待されているが未だに報告例はない。まず、1,10-フェナントロリン配位子を用いて反応検討したところ、ごく少量の目的物に加えて、アルケンの異性化体、ヒドロホウ素化体、脱水素ホウ素化体を含む各種副生成物の生成が確認された。続いて、各種含窒素二座配位子を用いて配位子検討を行った。収率の配位子による変化は顕著であり、一部の配位子では収率の再現性が低く20%程度の誤差があるものの、60%程度の収率での目的物の生成が確認できた。さらなる効率的な配位子スクリーニングを目指して、配位子と触媒前駆体を系中で混合する方法も各種検討したが、安定的に目的物が得られる方法は実現できなかった。続いて、反応の再現性向上について検討を行ったところ、反応温度を調整することでやや改善されている。収率ならびに再現性の更なる向上を目指して検討を続ける予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
再現性および収率の改善に時間がかかっている。抜本的な改善も含めて、触媒反応系の再検討が必要となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
基質や試薬などについて、その種類や純度、合成法も含めて再検討を行い、安定的に高収率が得られる触媒反応系を開発する。また、その基質適用範囲、反応機構や応用の検討を行っていく予定である。
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