2022 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of materials and functions through presice chemical modifications of discrete molecular nano-space incorporating metal ions
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22H02090
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
二瓶 雅之 筑波大学, 数理物質系, 教授 (00359572)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ケージ化合物 / ナノ粒子 / 金属多核錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、パネル分子とリンカー分子が共有結合で連結された有機ナノケージ分子に着目し、官能基や金属イオンを精密空間配置した孤立ナノ空間の構築と空間特異的な機能開拓を目的とする。孤立ナノ空間は、パネルを修飾することで構造と電子状態の高度な階層化が可能となる。機能性パネル分子をもつ有機ナノケージ分子の化学修飾を利用し、蛋白質に類似した金属イオンの集積化を可能とする孤立ナノ空間を人工的に構築する。さらに、他のいかなるナノ空間材料においても不可能な孤立ナノ空間の精密化学修飾と空間特異的物質合成反応の開拓を行う。 本年度は、アミノ基とホルミル基の動的イミン結合形成反応を利用し、様々な形状とサイズのナノ空間を持つケージ分子を新たに合成した。新規ケージ分子の合成には、リンカーとして2つ以上のアミノ基を持つ芳香族化合物を用いた。また、パネル分子として2つ以上のフェノール基とホルミル基をもつ芳香族化合物を用いた。ここで、パネル分子とリンカー分子を適切に組み合わせることで、テトラヘドラル型やチューブ型の内部空間を持つナノケージ 分子を選択的に合成することに成功した。さらに、得られたナノケージ分子の錯形成挙動について検討した結果、テトラヘドラルケージ分子においては錯形成反応における性の協同効果が観測された。また、錯形成に伴う内部空間の大きな変化が観測され、動的な内部空間を持つ特異なケージ分子であることが明らかになった。一方、チューブ型の内部空間を持つケージ分子においては、その大きさに対応した多核錯体が選択的に生成することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は様々な形状とサイズを持つ有機ナノケージ分子を合成し、その内部空間を反応場とした孤立空間化学を開拓することを目的としている。昨年度は、新たな有機リンカー基を組み合わせることで新奇なケージ分子を合成するとともに、その内部空間における金属イオンの補足能を明らかにすることができた。本成果は、今後のナノ粒子形成の足掛かりになる有用な知見を与えるものである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、新たに得られた有機ナノケージ分子の内部空間におけるナノ粒子形成研究を推進する。ここで、ナノ粒子形成には内部空間のみならず、その周辺の空間を適切に修飾することによる粒子間相互作用の制御が重要である。
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