2022 Fiscal Year Annual Research Report
Design of near-infrared and turn-on indicators for RNA-targeted drug screening
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22H02099
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 雄介 東北大学, 理学研究科, 准教授 (90583039)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 蛍光性インジケーター / RNA標的創薬 / スクリーニング / シアニン色素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はRNAを標的とした創薬候補分子探索(スクリーニング)に資する新規な蛍光性インジケーターを開発することにある。RNA標的創薬スクリーニングにおいて、標的RNAに対する優れた結合能と結合に伴う蛍光応答を示すインジケーターに基づくFluorescence indicator displacement (FID)法は検出感度、コストにおいて優秀性があるとともに、ハイスループットなアッセイが可能である利点がある一方で、既存のインジケーターでは蛍光特性に大きな課題があるのが現状である。本研究では、これら既存インジケーターの課題を克服した、近赤外領域で明瞭なoff-on型応答を示す蛍光インジケーターの設計指針を確立し、その基礎と有用性を実証することを試みる。 本年度はヒト免疫不全ウイルスHIVのTAR (tans-activation responsive region) RNAを標的として、シアニン色素を短鎖スペーサーを介して連結した人工アミノ酸を導入したTAR RNA結合性ペプチドを基盤とするインジケーターの開発を進めた。本分子設計ではペプチド部位のRNA結合に伴い、シアニン色素が強制的にRNA塩基対に挿入されることで明瞭な発蛍光応答を示すことが期待できる。まず、こうした蛍光センシング機構の原理検証を目的として、Thaizole orange (TO)を導入したペプチド性インジケーターを設計・合成し、モデルRNAとの相互作用を評価した。その結果、このインジケーターが標的RNA選択的に強く結合し、明瞭な蛍光応答を示すことを見出した。重要なことに、これらの結合能・蛍光応答能はFRETを利用する既存のインジケーターと比較して非常に優れており、本分子設計が有用であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究目的の要である、シアニン色素を導入したペプチド性インジケーターが既存インジケーターと比べて優れた機能を示すことを示す結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
TOを導入したペプチド性インジケーターの機能発現について更なる知見を得るべく、導入するTOの位置やスペーサー長を変化させた一連のインジケーターを設計・合成し、これらの基礎特性を評価する。さらに、TAR RNA結合能が知られている分子群を用いたFID法を構築し、スクリーニング試薬としての機能を評価する。また、近赤外領域で機能するシアニン色素の探索を進め、蛍光性インジケーターの蛍光特性改良を図る。
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