2022 Fiscal Year Annual Research Report
CRDSを用いた同位体比の高精度測定技術の開発及び三重点への同位体比の影響評価
Project/Area Number |
22H02113
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
橋口 幸治 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (00712506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 郁彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (50710620)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 同位体比測定 / キャビティリングダウン分光法(CRDS) / 三重点温度 |
Outline of Annual Research Achievements |
水の同位体比を測定毎の校正(検量線の作成)なく高精度に測定可能な技術の開発を目指して、キャビティリングダウン分光法(CRDS)を用いた測定装置の高度化を進めた。 存在率の低い、例えば17Oの含まれた水を測定するためには、小さな吸収線を精確に測定する必要がある。そのための測定装置の開発、および得られたスペクトルデータの解析方法の検討を行った。共振器内の圧力の制御を可能にし、圧力を変えた状態でのスペクトル測定を実現させた。減圧した状態での測定が可能となり、吸収線同士の重なりを減らして測定することが可能となった。スペクトル測定で生じるノイズ成分の除去も行うことができた。 開発した装置を用いて、17Oの含まれた水を測定できるように装置の拡張を進めた。また、同位体比の定まった水を精確に測定可能となる手法の検討も進めた。測定装置の残留水分を評価し、大気中からの水の混入の検証、配管からの吸着脱離水分の検証を行った。 温度計校正に必須な温度定点である水の三重点温度の精度を向上させ、温度計校正の信頼性の向上に繋げるため、同位体比が水の三重点温度に与える影響の評価を目指し、水の三重点温度の精密測定の開発を進めた。同位体比の定まった水を、大気中の水の影響なくアンプルに充填可能となるシステムの検討を行った。また、水の三重点温度を不純物の影響を受けずに測定可能となる測定手法の開発を進めた。断熱カロリメトリ法を用いた三重点温度の測定を目指し、装置の作成を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
同位体比を高精度に測定するための装置の開発を進めることができた。吸収スペクトルを縦軸(吸光度)、横軸(周波数)ともに高精度に測定可能な装置を開発することができ、また、温度や圧力を制御可能にすることもできた。高精度に測定した吸収スペクトルを正確に解析することができる技術も確立することができた。 同位体比の定まった水をアンプルに導入する手法の検討も進めることができた。また、不純物の影響なく三重点温度を測定可能な手法(断熱カロリメトリ法)の実現に向けた準備も進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで開発してきた測定装置を用いて、水の同位体比測定を進めていく。同位体比の定待った水を精確に測定可能とすることを目指す。水の含まれたガスの発生部分から測定装置までの配管における吸着脱離水分の影響が大きいことがわかってきたため、吸着部分を減らした装置の開発を進めていく予定である。 三重点温度の測定については、水に含まれる不純物の影響なく測定可能となる、断熱カロリメトリ法を用いた装置の開発を進めていく。同位体比の定まった水の三重点温度の高精度測定を可能とし、水の同位体比の影響を評価できるようにする。
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Research Products
(3 results)