2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Sustainable Circulating Polymer from Lignin Derived Molecules
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22H02121
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齋藤 敬 京都大学, 総合生存学館, 教授 (00386640)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | リグニン / 可逆高分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、自然界由来のバイオマスを用いて、リサイクル性の高いダイナミックポリマー(可逆高分子)を創成する事を目的とする。その目的達成のため、以下の3つを推進する。1.単量体を食料ではないバイオマス由来材料から合成する。2.ポリマーの合成に、自在分解可能な光可逆反応を採用する。3.ダイナミックポリマーのガラス転移温度(Tg)と機能特性の相関理解から、自己修復材料および再利用可能な接着剤へと応用する。 昨年度リグニン由来物質を用いたダイナミックポリマーから接着剤を創成し、学術論文として報告した。そこで二年目の本年は、昨年度合成したリグニン由来物質を用いたダイナミックポリマーを他の用途に応用するため、まずは合成のスケールアップ実験を実施し、必要な量のダイナミックポリマーを確保した。 次にリグニン由来物質を用いたダイナミックポリマーが、溶媒分離用の膜として使用できないかの基礎実験を実施した。架橋した高分子は溶媒に不溶となり、また架橋度の違いによりガラス転移温度を変化させることができるため、各種溶媒の透過率が変化することを確かめた。 またリグニン以外のバイオマスとして大豆油を選択、大豆油由来のダイナミックポリマーを合成、物性を示差走査熱量測定装置、熱重量分析、静的引張試験機等で評価し、リグニン由来物質を用いたダイナミックポリマー同様、接着剤として使用できることを見出した。こちらも学術論文として報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
既に当初の目的の一つであった、リグニン由来物質を用いたダイナミックポリマーからの接着剤創成は達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、リグニン由来物質を用いたダイナミックポリマーを他の用途に展開していく。特に国際共同研究として、溶媒分離まく、有機溶媒用の濾紙としての展開を進めていく。
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