2023 Fiscal Year Annual Research Report
光重合誘起分子配向現象を基盤としたマイクロアクチュエータアレイの創製
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22H02128
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宍戸 厚 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (40334536)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 液晶 / 分子配向 / フィルム / アクチュエータ / 光重合 |
Outline of Annual Research Achievements |
最近応募者は,スリット光を動かしながらモノマーの光重合を行う過程で分子が配向する興味深い現象を見出している。重合過程における分子拡散が鍵とみられるが,詳細には未解明な点が多い。現象解明により光重合と分子配向のメカニズムを解き明かせれば,マイクロアクチュエータ作製のプロセスを融合した新アプローチになり得る。そこで本研究では,機能分子の光重合・分子配向・フィルム化を一段階で相乗的に行い,従来手法ではなし得ない高機能マイクロアクチュエータを創製することを目的としている。光重合過程で同時に分子を配向することで,微細配向パターンを集積化した刺激応答アクチュエータアレイを実現できる。今年度は以下の2点に焦点を絞り,光重合誘起分子配向現象の解明とアクチュエータの設計について研究を遂行した。 (1) 微細配向液晶高分子フィルムの作製:昨年度得た知見に基づき,多彩な微細配向パターンを有する液晶高分子フィルムを作製した。重合条件を最適化することで分子拡散を作り出し,100-300ミクロン程度の分子配向パターンを有する二次元分子配向フィルムを作製することに成功した。 (2) マイクロアクチュエータの挙動評価:モノマーに架橋剤を添加した系で光重合を行うことで配向パターンが誘起された架橋高分子フィルムを作製できた。このフィルムに繰り返し加熱冷却を行うことで,フィルムの表面形状が可逆的に変化するマイクロフィルムアクチュエータとして働くことが明らかとなった。共焦点レーザー顕微鏡観察や光回折を利用した測定により,表面形状や分子配向状態の経時変化を定量的に解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
分子配向パターンが数百ミクロンオーダーで集積した架橋高分子フィルムの作製に成功した。このフィルムが加熱冷却により可逆的な形状変化を引き起こすことを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の2点に焦点を絞り光重合誘起分子配向パターンを有するフィルムアクチュエータの創製について研究を遂行する。 (1) 微細配向液晶高分子フィルムの作製 (2) マイクロアクチュエータの挙動評価
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