2023 Fiscal Year Annual Research Report
層状ポリジアセチレンの柔軟性の理解に基づく刺激応答性制御とセンサ応用
Project/Area Number |
22H02148
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
緒明 佑哉 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (90548405)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ポリジアセチレン / 刺激応答性 / 共役高分子 / 層状構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、化学・材料分野において、分子や分子組織構造が剛直・柔軟と呼ばれている経験的かつ定性的な概念を、定量的に表現・理解する手がかりを得ることが目標である。そのため、刺激応答性色変化を示す共役高分子である層状ポリジアセチレン(PDA)を対象とし、層状構造の層間にゲストを導入することでその柔軟性および刺激応答性を変化させる。温度応答性色変化を例として、小規模データにも適用可能なマテリアルズインフォマティクス(MI)を適用し、刺激応答性予測モデルの構築を目指す。2023年度は、2022年度に作成したデータセットをもとに機械学習を行い、研究者の経験と考察をふまえた記述子抽出を行った。具体的には、色変化が起こる温度(転移温度)を予測するモデルの構築を行った。記述子の組み合わせやモデル構築のアルゴリズムを検討し、いくつかの予測モデルの構築を行い、化学的に妥当な予測モデルを作成することができた。また、その結果をもとに、新たに層間に導入するゲストを選び、温度応答性色変化や力学的刺激応答性色変化の制御を行うことができた。さらに、その結果を応用したPDAを用いて大面積コーティングや3次元的な形状のデバイス作製を試みた。それらを利用した外部刺激の時空間的なイメージングを行った。これらの刺激応答性制御とデバイス化により、臨床現場で求められているような外部刺激の可視・定量化を行うことができた。本結果の派生により、他の様々な系でも、小規模データをもとにした予測モデルの構築と応用に関する研究が進みつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、計画通りに予測モデルの構築ができている。さらに、その結果を利用し、新たに導入するゲストの選出と実際にその刺激応答性の制御を実証するのみならず、そのデバイスを作製と応用例を提示できている点で、当初計画以上の結果が得られている。また、予測モデルを構築する過程においても、これまでとは異なる方法も確立できた点で、予想外の発見があった。以上の結果は、海外の権威ある学術論文誌に掲載されており、当初計画以上であった。さらに、このような方法論を適用する共同研究について、様々な分野の研究者から声がかかり、本成果の波及効果が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度でデータセットの構築は完了し、刺激応答性予測モデルの構築はできているため、2024年度以降は応答の可逆性を予測するモデルの構築を行う。このとき、小規模データでは、データのバランスや記述子抽出過程における研究者の考察をどのぐらい関与させるかによって、抽出記述子やモデルの精度が変わってくる。データの量と質、記述子抽出過程について検討することで、小規模データ特有の予測モデル構築方法をより洗練させる。また、臨床現場よりいくつかのセンシングのニーズを提供されており、そのニーズに応えられるよう、これまでの知見を利用した材料設計を行う。
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Research Products
(14 results)