2023 Fiscal Year Annual Research Report
Spatiotemporally tracking of nano-biofilaments phase separation inside the nuclear pore
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22H02209
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
WONG W・R 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 教授 (30464035)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 核膜孔 |
Outline of Annual Research Achievements |
核膜孔複合体(NPC: Nuclear Pore Complex)は、核内DNAへの唯一の分子輸送経路である核膜孔を形成するタンパク質複合体で、核と細胞質の間の分子輸送を調節し、DNA情報ネットワークを選択的に制御します。NPCは約30種類のヌクレオポリン(NUPs)で構成されており、その中にはフェニルアラニンーグリシン(FG)リピート配列を持つ特定のNUPs(FG-NUPs)が含まれます。これらのFGリピート配列は特定の構造を持たず、FGリピートを介した分子間相互作用が相分離を引き起こし、核膜孔内部に液滴を形成します。申請者は、溶液中の試料をナノスケールで観察可能な高速AFM(原子間力顕微鏡)を用いて、世界で初めてFG-NUPsが形成する核膜孔内部の液滴を可視化することに成功しました。また、申請者らは病態制御におけるNPCの機能調節メカニズムの研究を進め、細胞の環境や状態に応じて核膜孔の組成が変化し、その機能が高度化することを明らかにしました。具体的には、がん病態に特異的なFG-NUPsの発現量や翻訳後修飾が、核膜孔を介した核-細胞質間の輸送選択性を変化させ、がん病態の進行を助長する遺伝子発現パターンを確立することが示されています。しかし、液滴は動的な高次構造体であり、その安定性は環境に大きく依存します。試料の調製が難しいことに加え、相分離を調べるための技術基盤が整備されていないため、生命現象の中核である選択的核膜分子輸送における液滴の動態や機能メカニズム、さらには病態に伴う液滴の変化については依然として多くの謎が残っています。本研究では、核膜孔の作動原理の基盤となる相分離の理解を深めるために、核膜孔内部に形成される液滴のナノ構造動態とその機能との相関を解明します。2022年に我々の研究成果については、Cells, BBRC, JEV誌に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
核膜孔を構成するタンパク質の発現異常が、核-細胞質間の分子輸送を崩し、がんの悪性化や免疫応答の異常につながることを私たちは明らかにしてきました。論文を発表したことで、研究は大筋で順調に進んでいると判断しました。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も申請書の計画通りに進める予定である。
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