2022 Fiscal Year Annual Research Report
Site-specific and high efficient epitranscriptomic manipulation based on the enzymatic activity
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22H02210
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今西 未来 京都大学, 化学研究所, 准教授 (80362391)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | RNA脱メチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、CRISPR/dCas13と脱メチル化酵素FTOおよびALKBH5とを融合させたタンパク質を用いたin vitroにおける標的選択的脱メチル化評価系の構築を行った。大腸菌発現系を用いたタンパク質発現精製条件の最適化、ガイドRNAのin vitro合成、およびN6-メチルアデノシンを含む標的RNAの合成、精製法を確立した。また、複合体を必要としないシンプルな配列選択的脱メチル化系として、RNA結合タンパク質PUFと脱メチル化酵素とを融合させたタンパク質をデザインし、大腸菌発現系より精製して、配列選択的な脱メチル化能を解析した。脱メチル化の評価は、N6-メチルアデノシン感受性のエンドリボヌクレアーゼMazFを用いた電気泳動による評価および、SELECT法を用いて行った。PUFタンパク質は、通常8つのリピートから構成されており、対応するRNA8塩基に結合するが、このリピート中に含まれるRNAを認識するアミノ酸にアラニン置換を導入して、7塩基認識型、および6塩基認識型へと改変したPUF改変体を作製した。これらの変異体は8塩基認識型とオーバーラップする塩基配列を認識しつつ、8塩基認識型と比較してRNAへの結合親和性が弱まった一方で、6塩基認識型とFTOとの融合体は、より低濃度で標的とするPUF結合配列の近傍に存在するN6-メチルアデノシンに対して高いRNA脱メチル化活性を示した。より詳細な検討が必要ではあるが、この結果は、RNAへの結合が弱まることで、脱メチル化酵素がRNAから解離しやすくなり、酵素反応のターンオーバーが高まっている可能性を示唆しているといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RNA結合とRNA脱メチル化に関する興味深い関係を見出せたため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に構築した、CRISPR/dCas13システムを利用したin vitroにおける配列選択的脱メチル化評価系を利用して、ガイドの長さ、および、ガイドと 標的の両者の高次構造に着目した解析を行う。また、配列選択性に関しては、 メチル化制御酵素自体のRNA結合性が標的の選択性の低下の一因であることを考慮し、RNAとの相互作用領域に着目した酵素の改変体とRNA結合 分子との組み合わせを種々検討する。
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