2022 Fiscal Year Annual Research Report
ジスルフィドを利用したオリゴ核酸デリバリー法の深化と技術拡張
Project/Area Number |
22H02219
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木村 康明 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (80769977)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | アンチセンス核酸 / siRNA / オリゴ核酸医薬 / 細胞膜透過性 |
Outline of Annual Research Achievements |
アンチセンス核酸やsiRNAは標的mRNAの発現を抑制する遺伝子治療薬として有望であるが、その細胞内へのデリバリー法に関して課題がある。有用な手法としてLNPなどの高分子キャリアや、リガンドコンジュゲート法などが存在するが、細胞質への到達効率や細胞毒性等の観点から課題が残り、オリゴ核酸に適した新規のデリバリー技術の開発が重要である。こうした背景を踏まえ本研究ではジスルフィド構造をオリゴ核酸の末端に導入することで、その細胞内取り込みを促進する手法を開発する。 今年度の研究では、酸化型を含む各種ジスルフィド部位の構造誘導体の合成とその活性評価を行った。分子設計おいてはジスルフィド部位の化学的反応性を考慮した一連の誘導体構造を設定し、合成においてはオリゴ核酸の合成と、反応性官能基導入過程を分離することで安定的に設計したオリゴ核酸を調製した。各種誘導体を導入したオリゴ核酸を細胞系で評価し、膜透過性・細胞毒性・免疫応答の観点から有望なジスルフィド構造や修飾パターンを見出しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
種々のジスルフィド誘導体について合成および活性評価を実施し、細胞膜透過性や細胞毒性の観点から有望な誘導体候補を見出しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きジスルフィドおよびリンカー部位の構造活性相関を行い、更なる活性向上を目指す。また、アンチセンス核酸以外のモダリティへの導入も検討し、基盤技術の適用範囲の拡大を図る。有望な構造について細胞膜透過のメカニズム解析を行う。
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