2023 Fiscal Year Annual Research Report
クリックケミストリーに基づく生物活性化合物創製法の確立
Project/Area Number |
22H02220
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 幸裕 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (30636402)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 分子設計 / 分解誘導剤 / 化合物探索 / ケミカルバイオロジー / 酵素阻害薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
一般に取り扱いが容易な低分子性生物活性化合物は、ケミカルバイオロジー研究において有用なツールとなり、その標的が疾患関連タンパク質であれば、医薬品候補化合物にもなる。しかし、そのような化合物の創製は、通常、多大なコストと時間、労力が必要となる。そこで、所望の活性を有する化合物を簡便かつ効率的に創製するための方法論として、クリックケミストリーを基盤とする低分子性生物活性化合物の創製法を考案した。本研究では、本方法論の有用性を検証するとともに、様々な生物活性化合物としての酵素阻害薬やタンパク質分解誘導剤を創製する。具体的には、クリック反応に基づくライブラリー構築・評価による化合物探索法(手法①)、細胞内クリック反応を利用したタンパク質分解誘導剤(PROTAC)最適化法(手法②)、click-and-release反応を利用したがん細胞選択的薬物放出法(手法③)にて、エピジェネティクス関連タンパク質の阻害薬、もしくは、PROTACを創製する。令和5年度は、上述の手法②に関して、クリック反応に基づくライブラリーのスクリーニングを行い、期待通りヒット化合物を見出した。また、上述の手法②に関して、細胞内クリック反応を利用した分解誘導剤の評価を行ったところ、有用なPROTAC候補分子の創製に成功した。さらに、手法③に関して、click-and-release反応を利用したがん細胞選択的薬物放出法に利用する、各種フラグメント化合物の合成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りに、クリック反応用を利用して構築したライブラリーから、ヒット化合物を見出すことができた。さらに、細胞内クリック反応を利用したタンパク質分解誘導剤(PROTAC)の創製では、有用なPROTAC候補分子の創製に成功した。以上の2点から、想定した計画通りに進められていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、胞内クリック反応を利用した分解誘導剤の創製研究では、PROTACの最適化を進める。また、click-and-release反応を利用したがん細胞選択的薬物放出法の研究では、合成した各種フラグメント化合物の細胞系での評価を実施する。
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