2022 Fiscal Year Annual Research Report
糸状菌、二形性酵母におけるリン脂質合成制御機構の全体像の解明と有用菌株創製
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22H02234
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀内 裕之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00209280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 良一 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (50323481)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Aspergillus / Yarrowia / リン脂質 / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまで糸状菌、二形性酵母においてほぼ未解明の脂質代謝関連遺伝子の発現制御に関与する転写遺伝子群を同定しその機能を明らかにするとともに、それら遺伝子を有効利用することを目的としたもので、糸状菌として麹菌Aspergillus oryzae、二形性酵母としてn-アルカン資化性のYarrowia lipolyticaを対象として用いている。また、脂質関連代謝遺伝子のターゲットとしてはホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)の合成に関わる遺伝子に注目している。 具体的には糸状菌A. oryzaeの転写因子をコードする遺伝子群の破壊株ライブラリーに含まれる約500株に対して、最少培地で生育が悪く、それにコリンまたはエタノールアミンを を加えた培地で生育がある程度回復する株をスクリーニングにより明らかにし、目的の表現型を持つ株をピックアップしてその株において変異が入っていると考えられる遺伝子の機能を解析することを行なっているが、実験機器の故障があったため進捗に滞りがみられた。しかし機器の修理もすみ現在は順調にスクリーニングを進められている。これまでに200株程度の解析を終えおり、その中で候補株をピックアップし、それらの株で変異が入っていると考えられる転写因子遺伝子についてはY. lipolyticaのゲノム配列情報からオルソログ遺伝子の探索を行っている。また、Y. lipolyticaにおいて遺伝子破壊の効率を上げるための条件検討なども行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
解析機器の故障により、実験の進行に支障をきたしたため進捗に少し遅れが見られたが、現在、機器は順調に稼働するようになったため研究は順調に進行するようになっている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のスクリーニングを継続して、A. oryzaeの転写因子遺伝子破壊株ライブラリーの全ての株の表現型を検討し、その中で目的の性質を持つ株をピックアップして、それらの株で変異が入っていると考えられる遺伝子のA. oryzaeでの破壊株、高発現株などを作製しその表現型を検討する。 Y. lipolyticaにおいてもそれら遺伝子のオルソログを探索し、その破壊株、高発現株を作製し表現型を検討する。
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