2023 Fiscal Year Annual Research Report
What does microaerophilic mean?
Project/Area Number |
22H02249
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
上田 賢志 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (00277401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 辰也 日本大学, 生物資源科学部, 助教 (10759541)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | microaerophiles / capnophiles / cytochrome oxidase / carbon dioxide / gram-positive bacteria |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に全ゲノム解読を実施し、予想通りシトクロムオキシダーゼ遺伝子を保有していることが明らかになったCaldinitratiruptor microaerophilus JCM16183について、引き続きその培養の不安定性を解決するべく条件検討を行ったが、増殖不良を起こす明確な原因は突き止められなかった。本菌のシトクロムオキシダーゼ活性も、低い活性が認められる場合と活性がない場合があり、その原因が本質的なものであるかが不明な状態である。 微好気条件での菌株スクリーニングを継続して実施した結果、これまでに分離されたものと同じAnoxybacillus属の菌株が複数分離された。それらについても、これまでの分離株ならびに以前に報告があった同属株と同様に、植え継ぎによって好気条件でも増殖する形質を獲得する現象が認められた。一方で、微好気条件が増殖に適した初期の形質を賦活させる条件が見いだせておらず、微好気を好む生理的・遺伝的背景の解析には至っていない。 新しい試みとして、土壌や昆虫腸内から分離したStreptomyces属の放線菌株について、それらの微好気条件での増殖を広く観察した。その結果、ほとんどの株が好気条件と変わらない増殖度を示すことが判明し、これまで絶対的な好気性とされてきた本菌群の性質を見直す必要があることが判った。さらに、いくつかの株は好気条件よりも微好気条件で顕著な増殖を示したことから、新たなモデルとして利用できることが期待された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度と同様に、C. microaerophilusについては、その培養の不安定性のために、その微好気性を決定している生理特性を詳しく調べることができていない。Symbiobacteriumと同様の未知の系統分類群に含まれる菌の探索も、目的とした系統位置を示す菌の取得に至っていない。分離源や分離条件をさらに検討する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
C. microaerophilusとAnoxibacillusについての増殖と形質の安定化のための条件検討は継続するも、より安定な形質を示す菌をあらたに分離する試みに注力する。また、グラム陰性菌に知られる微好気性の菌もモデルに加えられるかを検討する。Streptomyces属の微好気条件下での増殖については、増殖度や酸素消費ならびに呼吸活性などの基礎データを収集するとともに、微好気条件への適応に主たる役割をもつ代謝系を同定する。
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