2023 Fiscal Year Annual Research Report
単子葉植物に特有なアブシシン酸シグナル伝達機構の解明
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22H02254
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
竹内 純 静岡大学, 農学部, 准教授 (00776320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 利幸 静岡大学, グリーン科学技術研究所, 教授 (60542165)
山下 寛人 静岡大学, 農学部, 助教 (70915488)
一家 崇志 静岡大学, 農学部, 准教授 (90580647)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アブシシン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに,ゲノムワイド関連解析(GWAS)によってPANSF5標的候補遺伝子(LOC_Os03g45970)を選抜し,同遺伝子がコードするPDZドメインタンパク質の異種発現系構築を進めた。大腸菌発現系では発現したタンパク質が分解されてしまう可能性が考えられたため,本年度は発現系をピキア酵母およびタバコに変更してPDZドメインタンパク質の発現・精製を試みた。標的遺伝子をpBYR2HSベクターに導入し,エレクトロポレーションによってアグロバクテリウムに形質導入した後,同菌体溶液をタバコ葉に接種したて3日間生育させた。粉砕したタバコ葉から粗タンパク液を抽出してカラム精製を行った後,SDS-PAGEに供したがPDZドメインタンパク質の発現は確認できなかった。酵母発現系においても同様の結果であった。この原因の一つとして,LOC_Os03g45970は配列中にGCリッチ領域が存在ため,部分的なヘアピン構造を形成しており,RNAポリメラーゼによって上手く翻訳されなかった可能性が考えられる。 また,昨年度に引き続きCRISPR/Cas9システムによる候補遺伝子LOC_Os03g45970の破壊株作出を進めた。gRNAを組み込んだバイナリーベクターをアグロバクテリウム法でイネカルスに感染させ薬剤選抜後,再分化個体群を取得した。再分化個体群(T0)において、ベクター内の外来遺伝子をPCRで確認し,組換え個体群を得た。現在,T1種子の収穫を進めており,種子確保後,ゲノム編集によるホモ変異個体を選抜する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度までは当初の計画通り,GWASによりPANSF5標的候補遺伝子を選抜し,LOC_Os03g45970破壊株の作成は順調に進んでいる。一方,本年度は同遺伝子がコードするPDZドメインタンパク質の異種発現系を確立し,PANSF5結合能を評価する予定であったが,大腸菌発現系から酵母およびタバコ発現系に変更してもタンパク質の発現には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
GWASによって選抜した標的候補遺伝子LOC_Os03g45970の破壊株のホモ変異体個体の選抜とその種子を用いたPANSF5感受性評価を予定している。本年度は,LOC_Os03g45970がコードするPDZドメインタンパク質の酵母およびタバコ発現系を試みたが,いずれの発現系においても標的候補タンパク質を発現させることが出来なかった。そこで,PDZドメインタンパク質に対するPANs結合活性評価は一旦中断して,LOC_Os03g45970破壊株作成に注力して,in vivoでのPANs感受性評価を中心に研究を進める。その際,遺伝子重複によりLOC_Os03g45970破壊株ではPANs感受性の低下が確認できない可能性も考慮して,同遺伝子の過剰発現株の作成も予定している。 また,新たな標的候補遺伝子の探索を目的に,PANSF5以外のPANs化合物を用いてイネ・コアコレクションに対する活性評価を行い,再度GWASを行うためのデータセットを整備する。具体的には,PANSF5のペンタフルオロスルファニル基をトリフルオロメチル基に置換したPANCF3を用いて,イネ第二葉鞘伸長阻害試験または発芽試験を行いGWASに用いる形質値を再取得する。
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Research Products
(1 results)